第4話「一月の決意」

俺は幸田の言葉を聞いて寝れなかった。

一瞬でも俺に未来があると感じてしまったから。

どうせ1か月で終わる恋愛なんだ。1か月全力で秋野さんと本当に付き合ってみせる!!

眠れずに考えた。勇気をもらった。こんな友達を作らせてくれてありがとう。

そう思いながら明日へと固く、強い決意を結んだ。


朝____

少し気まずかった。

それでも俺は

「おはよう。秋野さん」

声を。絞り出す。

「おはよう」

昨日とはまた違った緊張。

それでも今日は、いやこの1か月はまだまだ先に進まないといけない。

「(あのさ、秋野さん。付き合ったんだしどこかお出かけしてみない?)」

こそっと伝えた。

あの罰ゲームには週に1回デートするというのがあった。

だからこれは断らないと思ったのだ。

「えぇ。いいわよ」

「今週の土曜日とかどう?」

「あいてるわよ」

「じゃあ土曜日9時に駅で」

「わかったわ」

約束はつけれた。



どうしてあんなよくわからない男と・・・・・・

「はぁ。みのりに負けたからに決まってるんだけど・・・・・」

それでもよ!!!!!!

心の中で大きく叫ぶ。

それに週に一回のデート、私から別れてはいけない。なんて制約も作って・・・・

告白したあの時、初野君がフってくれればこんなことには・・・・・

「はぁ」

思わずため息がこぼれた。

相手からフるのはいいはず。嫌われるように行動しようと思って、学校でもあまり話しかけないし連絡もほとんどしなかった。

私の都合だけなのに。あんなに告白された時の笑顔を見せられると心が痛む。

おそらく初めてだったんだろうけど。

けど相手に罰ゲームで付き合っていることはばれてない・・・・はず・・・・

あの笑顔の招いた告白が罰ゲームだって知ったときにいはそれこそ私も、彼も悲しい気持ちになることは間違いない。特に彼は。

「はぁ」

本当に。

なんてことをしてくれたのよ。みのり~~~~~~!!



1か月で週に1回デートってコトは4回デートするのか。

俺はその1回のデートのプランを考えていた。

4回で・・・・・・あの秋野さんと完全に付き合えるところまで・・・・・・

なんて。

ネガティブになってすぐに思考を変える。

幸田が背中を押してくれたんだ。

1か月あるんだ。思いに。応えないとな。

フッと笑みと一緒に涙がこぼれた。

そりゃ引きずるよな。

そうだプランを。プランを考えないと。

せめて落とせなくても「楽しかった」

くらいは言えるように、言われるように。

紙を湿らせながら1日に全力を尽くすことにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る