小さな幸せをもたらすお守りとなる櫻童子のおまじない

【おまじないの核となる未言】

櫻童子(さくらわらし)

風に散らされて、ひとひらふたひらと、視界を過る桜の花びら。

元気にはしゃぐ子どものよう。

地面に落ちる前に捕まえられたら、幸せになれるかも。


【効能とその因果】

小さな者、幼き者は古来神の側にいる存在と捉えられる。子どものように遊ぶ小さな花びらである櫻童子も、神秘の力、特に楽しく生きる子どもの性質を分け与える力を宿している。

その櫻童子を追い駆けっこという遊びで捕まえることで、ご褒美として力の分け前をもらうおまじない。


【手順】

①地面に落ちる前の櫻童子を捕まえる。

・出来るだけ綺麗な形のまま手に入れる。捕まえる時に力加減を間違えて潰したり歪めたりすると効果が薄れる。

・色の濃い花びらの方が効果が大きい。寒い地域の桜、色の濃い品種、咲いてから時間が経った花などが狙い目。


②捕まえた櫻童子を普段から身につけるものに仕舞っておく。

・新調するのではなく、以前から使用している物が望ましい。

・例えば、手帳、財布、ポーチ、筆箱、眼鏡ケースとかとか。


③汚れた、もしくは次の桜が咲いたら土に還してあげる。

・ゴミとして捨てずに、地面に置いてあげること。

・汚れたり次の桜が咲いた後も仕舞ったままだと小さな不幸が重なっていく。


【捕捉】

おまじないをする人の年齢が幼い程、効果が高まる。

子どもが自分から渡してくれた時だけ、その櫻童子を大人が仕舞っても効果がある。

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未言のおまじない 奈月遥 @you-natskey

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