重いテーマを真正面から扱いつつ、希望を感じさせるストーリー展開

 死期が近い少女の心情が丁寧に描写されています。登場人物の心の機微に迫る表現力は、読者の感情を揺さぶる力を持っていると感じました。

 主人公の星羅が、写真を通して自分なりの人生の思い出を残そうとする姿に、生きる意味を見出していく様子が印象的でした。親友の美月のセリフにも、星羅の心の変化が表れていたように思います。ラストシーンでは、星羅の新たな一歩が暗示されており、前向きな読後感が得られました。

 「生と死」という普遍的なテーマを真摯に扱いながら、登場人物たちの心の軌跡を丁寧に辿ることで、希望を感じさせる作品になっているのではないでしょうか。このストーリーから感銘を受けた部分が多くありました。

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