2.「ずっと、ずっと大好きだったよ。」 番外編
「202_年度 卒業生の入場です」
これから卒業式
一年前に私の好きな人が亡くなった
余命宣告されてたんだったんだって
お見舞いに行ったときは
___「必ず、来年の卒業式までに退院するからね」
「うん!待ってるよ」____
こんな会話を繰り広げたのに、
なんで、、泣
行っちゃったんだんだろ、泣
「美愛~!笑早いよ笑入場前だよ!笑顔で行こう!!」
「うん、笑泣」
君が空の上から卒業式を見てることを願ってるよ
「卒業証書授与」
隣の席が空いている
きっとそこに座ってるんだろうな、
想像しただけで泣いてしまう
「鈴木尚斗」
「はい」
思わず舞台を見てしまった
でもそこにはいなかった
かすかな返事だけは私には聞こえてたのかも
階段を上る
「高橋美愛」
「はい」
一個前の君の分まで
精一杯返事をした
思わず涙を流した
一緒に卒業したかったな、泣
証書をもらった
「卒業したよ私。」
___________________________________________
「卒業生が退場します」
一斉に卒業生が立った
立った時に君がいれば一緒に微笑んでたのかな、
音楽が流れて卒業生が退場し始めた
「それでは2組は一旦図書室行きまーす」
写真撮影がある
このみんなで写真を撮れるのも多分最後。
「美愛~!卒業だねぇ」
「ね~!卒業だよ」
「尚斗くんとも卒業したかったね」
「そうだね、泣」
尚斗と私と朱里は仲良くしていたいつも。
尚斗が亡くなって私と同じくらい悲しんでた1人だった。
「ねぇ美愛。写真撮影のときさ尚斗の分も空けてあげて。」
「、、?」
「卒業式の日に美愛と一緒に撮りたかったって言ってたよ」
「そうなの、、?」
「そうだよ笑卒業式で何したい?って聞いたら一番最初に言ってたよ笑笑」
「わかった」
「うん笑笑」
「それでは2組のみなさん移動で~す」
「行こうか」
「うん笑」
写真撮影が終わった
「ねぇ、美愛。」
「ん?」
「はい、これ」
「なに?これ」
「卒業式が終わったらこれを渡してって尚斗に言われてたの」
「手紙?」
「まあそうだね笑」
「わかった見てみる」
__________________________________________
美愛へ
これを見てるなら朱里がきちんと美愛に渡してくれたんだな笑
元気にしてる?美愛
俺は他界して今は空の上だけどきちんと美愛のことを忘れてないよ
多分ね。笑
美愛にはずっと黙ってたけど
余命宣告されてたんだ。俺。
重い病気にかかっていて、もう治らないって
手術を受けたら生きる可能性は低いって
だから今を生きることを決めたんだ
美愛と一緒に過ごす時間を病気と闘うために使いたくなかったから
俺は小学生に美愛のいる学校に引っ越してきて
それから美愛とはずっと一緒にいたね
美愛、お願いだよ
俺のことを引きづらないで、朱里と他の男の子たちとかたくさんの友達と
幸せな毎日を過ごしてね。
絶対だよ?
俺は
ずっと、ずっと美愛のことが大好きだったよ。
だから俺のせいで美愛を壊したくないんだ
朱里には美愛のこと頼んでるから笑
空の上からずっと見守ってるからね
大好きだよ。
12/31 鈴木尚斗
___________________________________________
「ゔぅ、、泣」
「大丈夫だよ、尚斗はきっと空から見守ってくれてる」
「うん、、泣」
「私も、」
"大好きだったよ"
ずっと、ずっと大好きだったよ。
fin.
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