心の冬と、眼差しの春と

 悲観的でどこか厭世的ともとれる心の冬。春めいていく麗らかさにさえ、どこか冷たさを感じる。
 目に見えない心中と、眼前に広がる世界との対比が巧みで、なんとも味わい深く、相反する心と身体に呼応する。
 心が抱える冬と、身体が感じる春とを主観・客観ともに楽しめる優れた作品です。