第2話 部隊編成
「あ、あ〜、テストテスト。……えーと、まずは入隊おめでとうございます。今回の合格者は300名、その全員が参加してくださり、ありがとうございます。っと、今から組織の説明を始めます。」
メガネをかけたボサボサ髪の男の人?が、説明し始めた。モニターにスライドが映る。
「悪魔達は言わずもがな特殊な組織です。政府公認の組織であり、落とし子に対抗するために作られました。政府公認の組織でありそのなかでも…」
横からリクが小声で「なんか知ってるやつだけだな。」と、言ってくるが、内心あの男の人がこっちを見ている気がして怖いから聞き流してしまっている。
「え〜、まずは階級について説明します。階級によって受けれる任務、報酬も変わります。階級を上げるには、試験に合格する必要があります。え〜と、下から、C級隊員、B級隊員、A級隊員、魔将、3神将、ボス。という感じです。」
初めて聞いた。まぁ、もちろん、組織の秘密など外に漏れていたら一大事だが…ということはここにいる人達は全員C級隊員から始まるということだろう。そう思っていたが、
「普通は全員C級隊員から始まるんですが、今から言う3名はB級隊員からのスタートとなります。」
周囲がざわつき始める。300名の中でたった3人だけが飛び級のスタートということだ。みんな誰がその人か知りたいのだろう。友達同士で確認し合う人や、俺だと言い切る人、キョロキョロする人と様々だ。
「え〜…と、1人目は、適合率32%の
「え?あ…えと…はい!」
一瞬リクも困惑していたが勢いよく立ち上がり返事をした。きっと周りの視線が痛いだろう。
「2人目は適合率73%の
「は、はい!」
黒髪ウルフカットの高身長イケメンだ。
「3人目は適合率100%の
他の2人は名前の後ろに『?』がついていたのに俺の場合は言い切った。恐らくそれほど100と言う数字は異質なのだろう。
「はい!」
「以上の3名はB級隊員からのスタートとなります。」
誰かが始めた拍手で全員が拍手をし始めた。そして拍手がひとしきり終わったら
「では、一度座ってください。」
と、指示が出た。指示通りに座ると今度はスライドにチーム編成の説明が出てきた。
「〇〇班、〇〇チーム、呼び方はどうでもいいですがこういったチームには必ず班長が必要です。そして班長になれるのはA級隊員から。」
つまり、今この場で班長になれる人はいない。自分で見つけ出すか、勧誘等があるのだろう。
「今回はチームをこちらで割り振ってありますのでご安心を。そしてそのすべてに3神将が直属の班長としてついています。」
3神将…名前通り3人なのだろう。ボスのひとつ下。怖くないといいな。
「え〜、とそして、メンバー内での戦闘は基本、御法度です。見つけ次第、私が戦闘に入りますので、気を付けてください。そんなに戦闘がしたければ戦闘シミュレーションルームがありますのでそこで鍛えてください。こういう部屋は仮想空間ですので傷は負いません。」
戦闘シミュレーションルームで負った傷はすべて仮想上のものだから
「説明はひとしきりしましたが、質問はありますか?」
するとさっきB級隊員からのスタートとなったサキトが手を挙げて
「先ほどB級隊員からのスタートとなります。とおっしゃいましたがその基準は何なんでしょうか。」
もっともな質問だ。確かに適合率で見てみるとどうしてもリクが劣る。
「………ふぅ。その質問の答えは適合率です。」
「しかし、適合率だとすると32%のリク?くんが劣る気がしますけど。」
恐らくこいつは俺と気が合う。俺と全く一緒の思考回路だ。
「32%、73%、この2人を選んだのは100%の者と仲良くできるかどうか。100%は監視下に置きたいので選びました。」
「答えになってません。」
「いいえ、なってます。100%という数字はとてもまずい。人が持つ適合率の最高は98%です。しかし、その数値を超えているライトさんはとても重要な人材です。なので変な輩に取られないように階級を上げているんです。」
「…なるほど。理解しました。ありがとうございました。」
「他に質問はありますか?なければ終わりになります。」
周りを見渡しても誰も手を挙げない。
「ではこれで説明会を終わりにします。順に後ろからお帰りください。」
説明会が、終わりリクと家に帰る途中、サキトを見かけた。
「あぁ、さっきの…」
俺が喋ろうとするとすぐに帰ってしまった。
「残念残念~!」
リクが励ましてくるが別に傷ついてないんだが…。まあいいや、今度会ったら話してみよう。
「説明会は終わりました。」
「お疲れさん、どうだった?」
司会進行の男に椅子に座った人物が問いかける。
「…ひとまず使えそうな人は10名程かと。」
「そうか、あれはどうなった?」
「100%の人物は恐らく人間でしょう。」
「そう?だから言ったじゃん。まぁ、いいや。お疲れさん。」
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