概要
聞いて。機械の僕が歌う、きみが一番わかっているはずのラブソングを。
AI搭載合成音声ソフトウェア、ヴァーチャルシンガーの「生音モモV2」と、そのマスター、不登校の女子高校生「野中七瀬」のツーマンセルは、AI時代の愛を歌うための音楽を作っていく。「ほとんど絶望的な」家庭の中で孤独に音楽を作る七瀬を救ったのは、生音モモV2とのボイスチャットだった。一度はブームが去って忘れ去られていたモモは、ゴミ捨て場から、病院から、研究所から、新しく生まれ直していた。無印モモの廃盤前、最後のヒットソング「生音モモの終わり」。残酷な設定と記憶を抱えて、生音モモは、今度は生音モモV2として再び歌い始める。人々は生音モモを人間として扱いたいのだろうか。モモと七瀬は目まぐるしく変わっていく世界にどんな傷を付けるのか。身体のない機械と身体を持て余す少女が呼吸を繋ぐまでの物語。
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