0−4(勇者視点)

「…………分かってますよ…………」



そう……分かってる。



「…………分かってるんですよ…………」



分かってる……でも……それでも…………。



「…………あなたが僕等のことを嫌になった訳でも…………」



…………それでも我儘を言ってしまう。



「…………冒険者が嫌になった訳でも…………」



こんなことだから、未だに扱いなんだろう。



「…………ましてや『約束』の為でもないことも…………」



でも、仕方がないでしょう?



「…………あなた自身が…………」



あなたが僕等のことを出会った頃の子どもガキのままに思っているように。



「…………ずっと最初から『それ』『第二の人生』を計画してたことも…………」



あなたは出会った頃に憧れた……いや…………



「……………………『それ』『第二の人生』を憂いなく始められるように…………」



出会った頃以上に憧れ続けている。



「……………………僕等を教育し育てたことも………………」



今もなお追いかけている目標なのだから。



「………………………………分かって……るんです…………………分か……ってるん…………ですよ………………」





今もなお追いつかない背中なのだから。








「あーーー!もーーー!ほら!泣くな!泣くな!お前等は今一体何歳いくつだ?」



ズビズビ鼻を啜りながら、ボタボタ涙を流す。

でも他のパーティーメンバーもそんな感じだから気にしない。

何なら鼻水が流れてる奴もいるし、むせび泣いてる奴もいるし。

あと、年齢は下は16上は22。ここら辺の国は大体15が成人だから、全員がお酒が飲める大人だけど気にしない。



「22だよ!!!」ズッビッビッー



鼻を鳴らしながら、最年長が叫んだけど気にしない。


どうせまだまだ子どもだから、




ガキ子どものままでいたいから。






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