エッチ取締

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スゲー巨乳の姉ちゃんが歩いてるなーなんて思っていたら笛が鳴らされた。

「しくじった」

悪態を吐いた矢先にやって来る警備員。おやまぁ汗水を流して。お忙しい事だ。

「あの、すみません。今、エッチ取締してましてぇ。貴方、女性を見てらっしゃいましたよね？」

「見てないって言ったら納得してくれるんか？」

「いやぁ、あっはっは」

下手な愛想笑いなんぞしやがってチクショウ。ぶち殺すぞ。

「ほら、免許」

「あ、これはありがとうございます。話が早くて助かります」

「どうせ加点されんだろ。早くしてくれ」

「いやぁすみません……あ、貴方だいぶ溜まってますね。今八点。あと三点で免停ですよ」

「しゃあないだろ男なんだから」

「皆さん我慢してらっしゃいますから。ニュースでもやってるんですが、男性モラルは現在向上傾向にありましてぇ」

「違うね。バレてないだけだ。手口が姑息になっているんだよ。俺は腕時計にカメラ仕込んでる奴を知ってるぜ」

「なるほど。今後そういった輩を見つけたら通報してくださいね。はい、こちら免許証お返しします」

「……ッ！」

舌打ちをかまして免許をTake It Back。まったく忌々しい。

「あんまりよくないんですけど、二点にしときました。胸元チラ見は四点なんですが、流し目という事で」

「恩着せがましいぞ。さっきのはチラ見とも流し目とも判断できなかった。断定できない場合は加点数の低い方を優先する決まりだろう」

「さすが。八点集めてるだけあってお詳しい。あ、今十点になったか。あっはっは」

「……」

死ぬほど悔しいが、何も言い返せなかった。

男が免許証になって半年。俺は既に免停の危機である。世間では一発免停や免取となった者もいると聞く。エッチ認定されれば即取締とは、まったく世知辛い世の中だ。

「じゃ、罰金六千円です」

「ほらよ」

「どうも……じゃ、次やったら免停なんで気をつけてくださいね」

「……」

むしゃくしゃする。

仕方ない。とりあえず、風俗にでも行くか！