第3話 煽り運転??

 これは3年ほど前のお話です。


 島に移住した後に勤めたパート先は橋で繋がっている本土の方にありました。


 車で片道35分ほどかかるので朝は早めに家を出ていました。


 朝の通勤時は右側が山で左側が崖下を見下ろす景観のいい道路を使っていました。山道なのでカーブが多くドライブには楽しいでしょうが通勤には少し苦痛な道です。


 ほとんど車がいないのでたまに走っている車が結構なスピードを出していたりします。そういった車が後ろにいると道幅があるところで左に避けて先に行かせます。


 逆に前を走っている車が40㌔くらいのノロノロ運転をしている時があり、しかも大抵が道を譲ってくれないので追い越ししなければいけない場面が出てきます。


 ですが運転が苦手な私にはこの追い越しが問題なのです。カーブでは絶対にできないし直線の時には対向車がいたり、タイミング的にどうにも出来なくて後ろから同じようにノロノロとついていくしかない時があるのです。


 ある朝のことでした。運悪くノロノロ運転の車に出会ってしまい私は距離をとりながら後ろからついていったのです。私の後ろにはいません。


 車には何か文字が書いてあり何処かの会社の小型のバンのようでした。


 どこかで曲がってくれないかなと脇道があるたびに願いながら後ろからついていくと、その車が道路の真ん中で突然止まりました。


 左は崖下、右は山、前方にはトンネルです。


 スピードを上げて横を通り抜けてもいいのですがトンネルで対向車がいたら大惨事なので追い抜きを躊躇して離れたところに私も止まりました。


 私の車が止まった瞬間に前の車の運転席から男が降りてきます。


 その男は私の方をじっと見た後にいきなり走ってこちらに向かってきたのです。


 私は後ろを確認してからバックしました。そこは直線だったので幸いでした。

 

 そのあと私は何度か切り返してUターンして逃げました。


 とにかく怖くて山道から交通量の多い道に降りて仕事先に行きました。


 その後しばらくは怖くてその道は使えませんでした。


 一体あれは何だったんだろうと今でも思い出すとガクブルします。


 


 

 おわり 

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そこは一旦停止です 日間田葉(ひまだ よう) @himadayo

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