生活

村岡厭信

「色」

「青いだるま、どこを見てるの。そこは壁だよ。そこには何もないんだよ。」

大学三年生、就活を間近に控えた僕は意味のない言葉をつぶやく。なんてことはない普通の日常。一粒の刺激。それが僕の渇望しているものだ。ふと、自分の過去を振り返ってみる。何にもない。思い出はたくさんあるのだけれど、今の僕から見るとまるで靄がかかったみたいな風景が広がっている。SNSを開いてみる。そこには色とりどりの輝かしい"瞬間"が溢れている。僕はそれらの写真を見て、思わず灰色の笑いが込み上げてきた。そうか、この写真の背後には膨大な"日常"が果てしなく広がっているんだ。ほっとため息をつく。そうだ、平凡な日常でいいじゃないか。自分の生活まで塗り重ねる必要はないのだ。

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生活 村岡厭信 @asymmetry

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