魂の叫び

 センシティブな内容なので面白いと言っていいのか分からないが、読み応えがあり文章が魂の叫びをあげているようだ。

 随所に出てくる作者の劣等感は自分自身に当てはまることもあるし、そういった人間が身近にいたこともあるのでイメージしやすい。

 エッセイを通して作者は自分を卑下しているが、センスが光る文章力で読ませる巧さがある。
 なによりヤングマガジンに投稿した漫画が入賞したと綴られていた。
 
 ヤンマガで入賞……、それだけで非凡ではないか。

 これは大手出版社の小説賞に入賞したようなものだ。

 投稿小説サイトで蜘蛛の糸を掴もうと蠢く作者たちが、何度打ちのめされても立ち上がり書き続けている作者たちが切望する偉業を作者は成し遂げたのである。
 
 全体的に社会に対する生き難さを綴った独白だが、その一点に関しては羨ましくて仕方がない。