圧倒的な言語センスと表現力

作者は自分がいかにダメな人間であるかを、恥をさらけ出すように書き連ねていきます。
でもこの作者は社会への適応力と引き換えに、圧倒的な言語センスと表現力を手に入れた人でした。

以下、その一部を紹介させていただきます。

・私を身ごもっていた頃の母親に会うことができたならば、私は彼女にこう言うだろう。
「その子を中絶してくれ。その子からのお願いだ」

・人としての情が全くないサイコパスのような人間になりたい。
 満開の桜の美しさには浸れないが、散って行く寂しさは感じなくて済むのだから。

・やりたくて「いい人」やってるわけじゃない。
「悪い人」になれないだけだ。

・自分を幸福だと思い込ませるってことは自分に麻酔をかけるってことだ。
 だがその麻酔が効かないほどの痛みを感じているのだ。

・嫌な記憶は嫌な記憶でしか消せない。
 残念ながらこれ以外の方法を私は知らないのだ。


読んでいて胸が痛くなるかもしれません。
だからこそ読む価値があります。
たとえ幸せな人生を送っている人であっても、共感できるエピソードはきっとあるでしょう。