この小説の執筆過程
※近況ノートに書くレベルの余談です。適当に流し読みしてください。
連載してる長編が迷走、落としどころが見えなくなってきているので、すぐに完結まで走り抜けれる短編を書こうというのが執筆の動機です。
ろくにプロットを書かない人間なので完全に思い付きです。
『ありきたりだけど、記憶喪失の主人公に嘘をついて迫ってくる女の子の話を書こうか』というのが始まりで、そこから『記憶喪失を嘘ってことにしたら、恋愛に発展するんじゃね? 意識してなかった幼馴染に惚れる的な』と変化し、最終的には『やっぱただのコメディでいっか。オチは幼馴染の一撃で本当に記憶喪失になるってことで』に落ち着きました。
始まりとオチだけ考えて、後は適当に思いつくまま執筆しました(人はそれを行き当たりばったりと言う)。
最初はイチャラブ路線の予定だったんで、ヒロインも初心なツンデレにするつもりでした。でも書いてる途中で『最後は殴られて記憶喪失になるんだよな? じゃあ暴力的な方がいいか』と路線変更し、その結果ゴリラへの進化を遂げました。
ちょっと力の強い乱暴な子にするつもりだったんですよ。十数年前に良くいた、暴力系ヒロイン的な感じで。でも気付いたらグラップラーになってました。量産型ラノベヒロインを作ろうとしたら、獰猛なグラップラーが完成しました。
ヒロインをどうやって可愛く書くかより、どうやって強さを表現するか試行錯誤することになりましたね。なんていうかこう、普通に不良を倒すよりも、リンゴ握り潰したりとか、鉄球を圧縮したりとか、そっちのほうが強者感出るじゃないですか。
ナチュラルサイコパスこと田辺優香は、どっから湧いてきた存在なんでしょうか?
オチのためにライバルの女の子を出す予定は最初からあったんですけど、あんなサイコパスを出す予定はなかったはずです。
入院編を長引かせようと新キャラ出したわけなんですけど、当初の予定では常識人出すはずだったんです。雪を嫉妬させるための当て馬、イチャイチャする要員として出したんですが……クッキーを持って来た辺りで『メンヘラにするか?』と考えが変わりだして、そこから『ちょっとズレてる女の子にしよう』とさらに考えが変わりました。ええ、そこまではわかるんです。短編ですから、インパクトあるキャラを出すってのは大事です。
でもなぜか『サイコ系にしたほうがよくね?』となり、お見舞いにお線香や遺影を持ち込む系女子に変貌しました。
で、そこから『あっ、フォーチュンクッキーとか出てきたし、上手くやれば伏線に使えるんじゃね?』と思い立ち、五話と最終話に差し込みました。
ええ、完全に思い付きですよ。『普通のクッキーより、フォーチュンクッキーのほうがズレてる人感出るよな』って考えのもと出しただけであって、四話時点じゃ伏線なんて考えてませんでしたよ。この辺が行き当たりばったりなんでしょうね。
で、最終話は急激な展開になったわけですが、本当はもう少しイチャイチャする予定だったんです。
でも私の想定と違って、主人公がヒロインに怯えまくってるんですよ。ここからイチャラブは無理だなと判断し、急遽殴られてもらうことになりました。
普通なら雪に隠れて相沢とのイベントを進行していくんでしょうけど、それは無理だなと。あんな人並外れた膂力の持ち主に目をつけられたまま、他の女の子と愛を深めるなんて不可能だなと。この主人公にそんな胆力ないなって。
プロットの重要性がよくわかる作品となりました。
なんていうか、キャラが生きているというか、勝手に動くんですよ。短編だからいいものの、長編だったら制御しきれずに迷走してたと思います。
皆さんも短編を書いてみてください。始まりとオチだけ考えとけば、自然と話ができあがりますのでオススメです。
ちなみに追加で書いたキャラ設定も行き当たりばったりですね。
何も考えず、思うがままに書きました。そしたら相沢にヤンデレ設定がついて驚きましたよ。ただのオチ要員に過ぎないキャラだったのに、急に仮面優等生とか悪女設定が湧いてきて、最終的に消息不明と。人の心ないんか?
雪も適当にパワフルなエピソードを盛ろうとしただけなんですけど、気付いたら史上最強の生物になりましたね。ラブコメの設定というより、都市伝説とか妖怪の設定資料集を執筆してる気分になりましたよ。娘も急に湧いてきました。その辺ってぼかす予定だったんですけど、末路を書くなら必要かなって。
娘をヤンデレゴリラにする必要性は全くなかったですね。設定でさえ、幸せになれない主人公って……。
個人的には『毎年、彼の命日には人力リンゴジュースが供えられる』って一文が滅茶苦茶好きです。ただの蛮族ゴリラエピソードだったのに、図らずも伏線回収になるという……。
田辺さんは本当によくわからないです。なんか勝手にどんどんサイコエピソード、過激派な思想が湧いてくるんですよ。正直、書いてて怖かったです。こんな危険な思想が自分から出てきたっていう、その事実がただただ恐ろしいです。
こんな行き当たりばったりの作品を最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。千PVぐらいいけばいいかなって考えだったんですけど、日に日にランキング上昇していって、気付けば一万PV目前っていう。ええ、嬉しい誤算です。
記憶喪失のフリをしたら険悪だった幼馴染の態度が変わりました シゲノゴローZZ @no56zz
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