主人公に確固たる利他の精神があるのが好印象です。
やれ不遇だのハズレスキルだのと言った、世を拗ねる類の設定を差し挟まず、前世の記憶と言う強みを、ひたすらヒロインに道を踏み外させない為の道標として用いる、善性の塊のようなマインド。
しかも、ヒロインは前世からの推しキャラと言うわけでもなく、ほぼ好感度初期値の状態で主人公が自ら歩み寄った結果、お互いの大切な人としての関係性を築き始めます。
転生物は、ともすれば過去の亡霊が他人の人生を乗っとるお話になってしまいがちなのですが、アルクスは地に足をつけて今生を生きた上で良い子なので、好感が持てます。