初秋のまだ暑い午前中に、涼しく黴の臭いがするアンティークショップへ足を踏み入れるという導入から、五感を刺激する文章がとても心地よいです。主人公の「絵描きとしての熱量」が、課題の枠を超えて『しのぶ』という絵画に魅了されていくプロセスが丁寧に描かれており、読者も一緒にその歴史の闇を覗き込みたくなる強い牽引力があります。
もっと見る