第2話 なんで心って病むんですかね?

「斎藤さん?今いい?」小さく手招く素振りを見せる上司


人が見えないように小さく手招く時は大体ろくなことがない。


「あ~、はい…」


そしてわざわざ、部屋に入っていくということは、

ろくでもないことが確定してしまった。


まあ、座ってくれと「ん」と奥の椅子を指している。長いのかと心の中でため息をつく。


「なんでしょうか…?」わざと機嫌悪いのをだしていく。


「わざとそんな態度を取らないでくれよ。頼れるのは、斎藤しかいないんだからよ」


頼れる…?誰もいないから1番長い私に言ってんだろ?と言いたいところだが、苦笑いで対応する


「実はな…、これはひそかに進めてほしいことなんだが」


「ひそかに?何故なんですか?」


「まだ表には出ていないからだ」


表に出ていない…?そんな情報を私に言うのか…?


「お断りします」と席を立とうとするも、相手も察したのかすぐに、扉を塞ごうとする。


「まて、そんなヤバい事をしてもらうつもりは無い」


まずは話を聞けと強引に座らされる。


「聞いてしまったら、詰みじゃないですか」


「それが、仕事だからな」


「それで、何でしょうかー?その表に出ていないっていうのは」


タブレットから写真を浮かび上がらす。縊死している女性だった。


この分野でのカウンセラーしていると、珍しいことじゃなかった。


悩みぬいた結果が”そこに”行きつくこともある。


「実はな、これはアンドロイドだ」


「え、どういうことですか?」


「介護ロボットは知っているよな?」


「あぁ、確か…」


超高齢社会となり、介護が必要な高齢者は増加したが、反対に介護をする人は少子化の影響で不足してしまっている問題が生じた。


以前までは、外部の国からの移民で担っていたが、移民増加による治安悪化。


国民は移民排除運動を起こし、移民の数は急激に減少するが、治安はそれほど良くならなかった。


さらに追い打ちをかけるように介護問題も深刻化してしまう。


その中でロボット産業が発達していたこの国は、介護をロボットに担おうと考え、多額の補助金を援助する代わりに、開発するようになった。


その結果、現在の介護はロボットが75%担っている。


「でも一瞬分かりませんでしたよ。アンドロイドなんて」


「まあ、馴染みになっているのは、明らかなロボットの見た目しているからな。

これは試作段階なんだが、ちょっと問題が出てきたんだ」


「問題?」


アンドロイドなんて、カウンセラーの分野でもない。何に私と関係があるのか見当もつかなかった。


「この試作段階の介護アンドロイドなんだが、すべて自死してしまったんだ」







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20XX年のカウンセラー ぼやき @kasai-000

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