20XX年のカウンセラー
ぼやき
第1話 20XX年のある国の状況
20XX年 ある国は少子高齢社会による介護者不足の解決方法としてAIを搭載した介護ロボットを使用することになった。
それから20年は経ち、介護ロボットが日常化してくる中で”あること”がひそかに問題になってきたのだ。
「この仕事もAIに代替えする時代はいつの日かくるのかね」
最初は苦手だったコーヒーも今ではお茶感覚で飲んでいる。
これがいわゆる”大人になった”ってものなんだろうか。
「先輩。少なくても今ではないので、仕事しましょうよ。」
「はいはい。次の面談は17歳の女の子だね」
この国は、高齢者が多いため当然死亡者数も多いのだが、亡くなるのは高齢者だけでなく、若者の自殺も多く、別名『死の国』と言われるほどになってしまった。
その対策として『青年自殺防止センター』が設立する。
相談だけでなく、様々な制度を使って、根本的な悩み解決の手助けをしていくのだ。
私はそこのカウンセラーとして働いている。今で6年目だが、先輩にあたる人物はいない。皆病んで、辞めていく。
1日10人程度だったとしても、毎日病んでしまっている子の相談にのっていく内に病んでしまうんだろう。
『適度に距離を置いて相談にのっていく』これがシンプルだが、難しい。
私は性格上、人との関わりで線引きしてしまうことから、奇跡的に6年も働けている。
「何度もOD(オーバードーズ)する、か…。薬苦いから苦手なんだよね。すごいわ」
「不謹慎過ぎますよ。間違ってもこの子に言わないでくださいよ」
「ん。」
今日もいつも通りに仕事をしていく。無関心で、淡々と。
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