「短歌」2024年4月号 佳作

ぼんやりと


見ていたわたし


花の名を


シャコバサボテンと


知る前のわたし


梶原さい子選、佳作。

永井祐選、佳作。


〔解説〕

シャコバサボテン。

冬に咲くことから、

クリスマスカクタスとも言う。

今まで何度も見たことはあったけど、

その花の名前を知らないままだった。

あるとき、

その花の名前が、

シャコバサボテンだと知った。

すると、

世界が一変したように、

シャコバサボテンが

シャコバサボテンとして、

くっきりと正確に、

認識出来たような気がしたのだった。


名前を知ること、

言葉を知ること、

その喜びと哀しみが、

深層心理に泡立ったのだろう。




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