角川歌壇2024 入選短歌集

滝口アルファ

「短歌」2024年3月号 特選

木枯しを


引き連れながら


歩くとき


平成なんて


無かったようだ



梶原さい子選、特選。

〔選後評〕

時が過ぎるのは本当に一瞬で、

平成の三十一年間も、

後から思えば幻のよう。

上の句の

「木枯しを引き連れながら」が

乾いた空虚感を打ち出している。


〔解説〕

木枯しに吹かれながら

歩いていると、

木枯しによって、

不意にタイムスリップして、

令和に来たような感じがしました。

平成という時代は、

本当に存在したのでしょうか。

そもそも、

私という人間は、

本当に存在しているのでしょうか。


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