星待ち 🌟
上月くるを
星待ち 🌟
駒返る草のさみどりおしなべて
古草のおのが行く末見てをりぬ
をさなくてすでに尖れる菖蒲の芽
ひとり家のふきんの真白桔梗の芽
白づくし金平糖や雪やなぎ
暮の春橋の工事のいま盛ん
弾き語る男の背中や夏近し
ゆで卵十個つくりて春暑し
ぎしぎしや山高ければ谷もまた
茎立や思ふやうには生きられず
猿まつる社の昏し茅花の穂
山葵田の小川の芹の一際に
木曽路なる雨を慕ふて金鳳花
きんぽうげ熊野古道を歩く犬
万葉のその名も哀し嫁菜かな
香菜の分けて明日葉匂ひけり
春深し酸辣湯のすつぱうま
春惜しむ白き舗道に鳥の羽
星待ちの空のはなやぐ暮春かな
おぼろ夜の想ひはいつも片想ひ
星待ち 🌟 上月くるを @kurutan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます