めぇなぁげぇー!

サクラ堂本舗 いまい あり

めぇなぁげぇ!


兄から泊まりで姪っ子に会いに来ないかとメールが来た。

初めて姪っ子に会えるなんて超楽しみ!


兄の家は鄙びた町の古民家を改修していた。


姪っ子の名前は「ふみ」

まん丸顔で太っているから「ぷーちゃん」って呼ぶんだって。


義姉から言葉を覚え始めたぷーちゃんが

「たんぽぽ」を「たんぽこ」、「めがね」を「めなげ」

と言って周囲を笑わせていると話してくれた。


「ぷーちゃん!ぷっくりね!」

そういうと、ぷーちゃんは不機嫌な顔をして

「めなげ!」って言う。

めなげ?私が眼鏡をかけてるからかな?


眼鏡をとってぷーちゃんに見せる。

「めなげ?」

そう聞いてもぷーちゃんはそっぽを向く。


義姉は

「不機嫌な時も『めなげ!』っていうの。」

「眼鏡とは違う意味があるのかな?」

一瞬だけど理恵子さんの表情が歪んだ気がした。


この日は兄家族と楽しい時間を過ごして床についた。


ふと夜中に物音がして目が覚ますと

義姉が姪っ子を連れて出ていくことろだった。

こっそり後をつけた。


あばら家の中に入るとぷーちゃんは赤ちゃんではなく

中学生位の少女の姿に変わってた。


「もうママったら~子供のふりしろって言うし

初対面のあの女にぷっくりデブって言われるし!許せないっ!」


「だからっていきなり めなげ殺す!って言っちゃダメよ。」

「だってぇ~」

「子供の姿だから気づかれないけど、私達が異星人ってバレたら困るでしょ。」

「はーい!」

「やっと定住出来そうな星が見つかって、母星からここへ

移住する計画なんだからね!」


えっ?

異星人?移住?計画?一体何の話をしているの?

てっきり浮気とか想定してたけど一体何なのこの展開は!


金属の棒に手が触れて、カツーーンと甲高い音が響く。


2人が私を見る。とても怖い顔をして迫ってくる!


いや!止めて!怖い!

でも、このことを兄に教えなくてはいけないと思い

全力で兄の家まで走った。


玄関で待ってた兄は

「知ってしまったんだね。残念だ。」

そう言った兄は冷徹な顔になって一言…

めなげころす!」

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