拝啓、15歳のあなたへ「ねがめ」を読みませんか

「ねがめ」は先にリリースされている「僕の娘の涙」と一対の物語です。
どちらか片方でも完成されたお話ですが、未読の方はぜひ「僕の娘の涙」を先に読まれることをお勧めします。

子育てエピソードとメガネの破壊は、縁の深いもの。
その中でも詩織ちゃんは、ずいぶんとパパのメガネを壊してきた猛者に分類されるでしょう。

壊すたびに許してくれて、一緒に眼鏡屋さんへ行って、ソフトクリームを食べるところまでがひとセット。
娘を目に入れても痛く無いほど、かわいがっている父の姿が目に浮かびます。

やがて幼かった娘は思春期にさしかかり、父への反抗も強くなり、数年ぶりにメガネが壊れます。
この後の、詩織ちゃんの心の動きを、ぜひ思春期真っ盛りのあなたに読んでほしい。

全部には同意できなくても、少しでも心が震える言葉があったら、ご両親に「分かっているよ」のサインを示してあげてほしい。
家族は永遠だけど、命は有限だから。

父から娘へ、時を越えて受け渡される愛の物語。この春休みに、ぜひ。

その他のおすすめレビュー

竹部 月子さんの他のおすすめレビュー666