八百萬の神の、刻を超えた意志を継ぐ者たち。
- ★★★ Excellent!!!
時は応仁。山深い里に暮らす一人の純真な
少女、すず を取り巻く当時の生活や
様々な出来事。とても上質な時代小説の
貌を持って物語は綴られて行く。
丁寧に描かれる当時の人々の暮らし、自然
森閑とした山の神社の社殿。
彼等 は守り人と呼ばれる忍の者たち。
精霊の加護を持つ すず と共に、この
地をも守る事を宿命付けられていた。
来たるべき 大災厄 とは。
彼等は事前に出来る限りの準備をする。
直向きに生きる人々の生活は、歴史となり
積み上がってゆく。
そして 大災厄 は恐ろしい貌を見せる。
ここからの展開が、まさに怒涛となって
押し寄せては読み手を巻き込んで行く。
この世の終焉を予感させる程の恐ろしい
攻防が続く中、守り人たちの結束と覚悟が
困難を打開して行くが…。
二転三転に、読み手は驚かされる。
物語の構成や展開術は勿論の事、何よりも
衝撃なのは…それは、実際に読んで
体験するのが良いと思う。
是非とも深い感動と共に驚いて欲しい。
個人的には、映画化すべきだと心底思う。
きっと、人生で決して忘れる事の出来ない
作品になる事、請け合い。