幻の色の鳥を探して

にゃべ♪

難易度Sの依頼

 ある日、ギルドに『幻の色の鳥を求む』と言う依頼が掲示された。見つけただけでも報酬が発生し、捕獲すれば更に色を付けてくれる。その好条件を目にした冒険者達は目の色を変え、それぞれ各地に散らばった。

 男もこの依頼に挑む恐れ知らずな1人。


「鳥を探すくらい余裕だぜ」


 鳥を探す冒険のさなか、男は忠告を無視して凶悪な魔物の縄張りに足を踏み入れる。深入りしすぎた男は魔物に襲われた。焦る気持ちが色濃く出てしまったのだ。男は無我夢中で逃げる。

 何とかその場から抜け出せたものの、途中で荷物を捨てなければならなくなり、冒険で得た成果を全てなくした男は色を失った。


 街に戻った男は冒険で手に入れた情報を元手に、色を変え品を変え軍資金を作る。


 情報の物々交換をしていく内に、男は幻の島の情報を耳にする。そこに件の鳥がいるかも知れないと思った男は、その情報に従い、骨董屋で埃を被る古い地図を手に入れた。

 そこからも長い冒険の末、男は色とりどりの植物や動物がいる自然豊かな島に辿り着く。男が鳥を探し始めて、既に8年が経っていた。


「ついに辿り着いたぞ」


 島に降り立った男は早速鳥を探し始める。自然が豊かなだけあって、危険な動植物も多い。カラフルな毒々しいカエル、食べたら即死亡する鮮やかなキノコ、極彩色で攻撃性の高い大蛇、当然、危険な魔物も数知れず。

 男は今までの冒険で得た知識と経験で、それらを何とかクリアしていく。


「嘘だろ……」


 深い森を抜けたところで、男は集落を見つけた。島は無人島のはずだったので首を傾げたものの、そこは冒険者のさが。好奇心に背中を押され、男は村に足を踏み入れる。

 そこには魅力的な女性が数多く住んでいた。住民は男を歓迎する。何故女性しかいないのか、何故全ての女性が魅力的なのか……。色々疑問も生まれたものの、男は住民の色香に負けてこの村に住み着いた。


 それからも色々な事が起こったものの、男はその村で幸せに暮らしたのだった。

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幻の色の鳥を探して にゃべ♪ @nyabech2016

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