夜が明ける前に…

@katchees

プロローグ

冬の夜空に咲く星々。それは僕にとってかけがえのないものになっていった。



僕は冬野蒼真。北海道の高校に通っている高校生だ。長所も短所もなくすごく平凡などこにでもいる高校生だと思う。部活もやっていなければ特技もない、ましてや友達が多いわけでもなく勉強も中の下。一つ言えることがあるとするならば眼鏡をかけていることくらいだろう。

今日は冬休み明け久しぶりの登校日。

だが、明々後日から中間テストのため勉強に追われていた。だから休んだ気がしないのも納得がいく。

「よぉ、蒼真!あけおめだな!元気してたか?こんにゃろぉ!」

「あけおめ。新年早々うるさいな凪は。」

こいつの名前は春風凪。はっきり言ってだいぶやんちゃで天然バカだ。先生に目をつけられやすい性格をしているが根は優しいやつだ。僕はこいつに絶大な信頼を寄せている。

「なぁ、蒼真。テストってさいつからだっけ?

あと2週間とかか?へっ、余裕だぜ全くよぉ。」

「何言ってんだ?おまえ明々後日からだぞ、ちゃんとしろよ。いい加減勉強始めたらどうだ?お前の成績ならいい点を取るのはおろか進学すら危ういぞ。」

「おい、その言い方はねぇだろ、自分もやらないと点数取れねぇくせに!なぁ、灯?」

「えぇ?ごめぇんねぇ、ぜんっぜん聞いてなかったさぁ!あははは!」

そして凪の横にいるのは高校に入ってから何故か僕たち二人と仲良くなった優等生の秋田ケ谷灯。

彼はほんとにすごいと思う。僕は、彼を尊敬している

。ただ一部を除いて、ね。

そう!このおっとりさ加減。ほんとにひどいと思うの

は僕だけか?自分の興味のない話は全く聞いていない。そういうところは僕は尊敬していない。逆にみんなのことをみて見習ってほしいまである。

まぁ、僕が仲良くしているのは主にこの二人だ。

「げ!もうこんな時間かよ!おい蒼真このままじゃ俺ら遅刻だぜ?ダッシュだ!ダッシュ!初日から怒られるのはカンベンな!」

「はぁ、めんどくさい。別に走らなくたっていいじゃないかぁ。あ、おいちょっと人の話を聞けよ!凪!!まてって!」

「あ、ねぇ、おいてかないでよぉ……この道わかんないのに…」

これは平凡すぎる僕、冬野蒼真が高校生を全力で楽しむ話。

こんなテスト前にありふれてる光景からすべてが始まったんだ。

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