第4話 ショタとゴブリンと美少女

ーー「ええええええ!?!?」


「そんな…」

俺は唖然とした。


なぜ今まで気づかなかったのだろう。


「…これ、俺か…?」


そう、俺は…


ショタ化していた!!


いや……まぁ感じてはいたんだよな。

鳥モドキから逃げて洞窟に入った時も違和感は感じていた。


「確かに疲れやすいとは思っていたが…」

身長が縮んでいたとは…


元々俺は身長が180cmと高く、中学、高校とバレー部だった。

まぁ、才能は無かったがな。

でも筋肉は人一倍あったはずだし、体力だってそこそこあった。


「俺の身長がぁ…」


しかし今この水面に写っているのはせいぜい160cmあるかないかの子供だ。

俺の身長……。

数少ない俺のアイデンティティが…


「はぁ…まぁいいか…」

悲しいことより、いいことを考えよう……


身長が縮んだのは辛いが、いいこともありそうだ。

「前より動きやすくはなったな…体力はないが」

あとは髪の毛だな!

ツヤツヤ、サラサラの若々しい髪の毛になっている。

しかも染めたわけじゃないのに綺麗な藍色をしている。

長さは現実世界とあまり変わらず、短めだ。


「はたして何歳ぐらいなのだろう…」


現実世界の俺は24だから…だいたい15歳くらいか。

服はご丁寧に身長に合わせて縮んでいる。

というかちょっと綺麗になっている…?

15歳でスーツって似合わないな…。


「これからどーすればいいんだよ…」


水を飲み終えた俺はその場に座り込んだ。

とりあえずここから出ないといけないことはわかる。

でもまたあの鳥モドキに襲われても嫌だし…

かといってここも安全とはかぎらない。

「どーすっかな…」

その時、

ドォォン!

「うおおおおお…!?」

突然、爆発音が聞こえてきた。

しかも1発だけじゃない。


ドォォン、ドォォン、ドォォォォォン!!

どんどん音は大きくなりこちらに近づいてくる。


「離れて!!」


「へ…?」

奥から走ってきたのは13歳くらいのかわいい女の子。

と、なんか大量の緑色の動物たち。


「あれなんだっけ…なんだっけ、ゴブリンって言うんだっけな…」


俺がそんなことを考えていると、


「離れろって言ったでしょ!?」

かわいい女の子は俺の前に立って手に持っている杖をゴブリンたちに向かって振りかざした。


「ブルムスト・ドローム!!」

女の子が呪文のようなものを唱えると杖から出た桃色の光があっという間にゴブリンたちを消し去ってしまった。


一瞬の出来事に俺がボーっとしていると


「ねえ!ちょっと!大丈夫!?」


仁王立ちした女の子が話しかけてきた。


「あんたが助かったのはこの私のおかげなんだからねっ!!感謝しなさい!」


そう言ってフフーンと満足そうに腕を組んだ。


…なんかちょっと態度でかいな…


こうして俺は突如現れた(態度のでかい)美少女にこの世界のことについて教えてもらうのであった。

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待ち合わせはダンジョンで! 小花衣 秋雨 @syu_19

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