カクヨムを「大きな大きなゴミステーション」と考えること
奈良ひさぎ
カクヨムを「大きな大きなゴミステーション」と考えること
前提として、ゴミステーションが何たるかは大丈夫ですかね?
たぶん「何言ってんだお前」となった方は分かってるので問題ありません。家庭ゴミを収集してもらうまでの間置いておくスペースのことです。カクヨム、だけでなく小説投稿のプラットフォーム全体をゴミステーションと呼んでしまう理論ですが、大したことを言うつもりはありません。
要は「作品を出すのにそんなに気張ることないじゃん」というだけの話です。ちなみに書籍化目指すぜとか、プロになるぜという方にはあまり通用しないので適当に流してもらって構わないのですが、それでもこういう作品公表の場では実験してナンボなので、気軽に作品を投げつけるくらいの気持ちでちょうどいいと思っています。ちなみに筆者はえいやっと短編なりなんなりを投稿することを時々「投下」と呼んでいます。爆弾よろしく。
たとえば出すのが長編、それも十万文字とか、下手をすればもっと長い大作であればそういうわけにはいかないでしょう。作り上げるのに途方もない時間と労力がかかっているわけですし、その渾身の一作が思ったより読まれなかったとか、評価が全然伸びなかったとかだと、いくらなんでも心が折れます。
筆者は方々で「承認欲求の強い人間は物書きに向いてないからさっさと筆を折って別の趣味を考えた方がいい」だの、「評価やアクセス数に囚われるとろくなことにならない」だの言っていますが、じゃあ全く評価もアクセスもなくていいのと問われると、決してそんなことはありません。ないよりあった方がいいに決まっています。
長編だと読者側にとってもハードルが高いです。筆者個人の意見が大いに入っていますが、長編を読むときはまとまった時間が必要なわけで、どれくらい続くか、読み続けるのに耐えられるかを判断する材料は、基本的にあらすじや目次になります。仮にその作者の作品が長編一つ、それも長大連載だったとすると、どんな作風かも分からないままブラックボックスなその長編に突撃せざるを得なくなります。もちろんそれで面白ければいいですが、面白くなかったら時間が無駄になるんじゃないかと考えると、なかなかリスキーな行為ですよね。逆に長編の他に、短編がいくつかあれば、まずはちょっと様子見、味見ができます。
もちろん、短編全部をなんでもかんでもホイホイ投げ捨てろというわけでもありません。それくらいの気軽な気持ちで、という話で、「あああああ」とか「キンキンキン!」とかで埋め尽くされた文章を投稿しても意味がありません。こんな作品が評価されるのかとか、批判されたらどうしようとか、うじうじ考えて出さないでいると前に進めないので、えいやと出してみるのも一つ手ですよという話です。
ゴミステーションにたとえたのは、数多の作品がある中で、たまに光り輝く原石があるのが小説投稿サイトの常だから。資源ゴミの日、みんながゴミを出してしばらくすると、おじさんがチャリを漕いでやってきて、めぼしいものを持って帰ってたりしませんでしたか?そのまま置かれていてもどうせゴミとして捨てたので回収されるだけだったところ、誰かにとっては価値のあるもので、持ち帰られまた使われることになる。(おじさんは持って帰って転売するだけの可能性も大いにありますし、この行為自体を正当化するつもりは全くありませんが)
めぼしいものになれるかどうかもどうせ運次第、うず高く積もった山の中に埋もれる場合がほとんど。拾われる時は拾われるし、スルーされる時はスルーされる。ならば、そんなに気にせずに投稿してしまっても、大してこちらにダメージはないでしょ、という思想です。
筆者が2023年に出した短編は71篇、2024年は3月24日現在で22篇です。ノクターンで出したR18作品もあれば、ウマ娘の二次創作も含んでのこの数字で、文字数には大きなばらつきがあるのですが、筆者はこのレベルで待っています。みんなもガンガン短編を出そう!以上です。
カクヨムを「大きな大きなゴミステーション」と考えること 奈良ひさぎ @RyotoNara
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