トリあえず、あれやるかぁ→1時間後

まめでんきゅう–ねこ

鳥の生活

ある島に、一羽の鳥がいた。



鳥の名はトリ。平和主義で、のんびり生活する事が好きである。



「トリあえず、起きるか〜」



ベッドから出たトリは、少し自分の部屋を彷徨き、考えた。



「今日は何しよっかなぁ〜。まぁトリあえず、先にコーヒー飲むかぁ」




トリはリビングでコーヒーを作って飲む。

ほんのり苦いが、ちょっと甘い味が口いっぱいに広がった。



「ふぅ、パン食べよ」


彼はキッチンに行って棚からパンを出すと、ハムやチーズを乗せて電子レンジに入れた。


そして40秒温める。





40秒経過すると、中のパンをトリ出して、オーブンへ入れた。



「さぁて、その間はトリあえず、本でも読んでよっかなぁ」


トリはトリあえず、本棚から数冊ほど本を取り、ペラペラとめくった。


「えっと、何々…サワークリームかぁ、美味しそう。

あぁ、このフライパン、かっこいいなぁ〜」



5分ほど経って、パンをオーブンから出した。


トリは唸る。



「んんっ、良い匂い」


トリはパンを齧った。



なんとも言えない食感と風味が、喉を通る。


「あぁ、良いなぁ」


コーヒーを飲みながら、パンを頬張っていくトリ。



そして食べ終わると、家の庭に出た。


「トリあえず、サッカーでもするかぁ」


トリはトリあえず、ボールを家から持ってきた。


「トリあえず、ヘディングの練習してみよう」












そう言った直後、トリは突然倒れた。




庭の向こう側に、スーツ姿の人が2人見える。


「よし、幻の美味の鳥“トリ”を捕まえたぞ。早速 上に報告しろ」


「了解しました!!」


2人組は銃を持っていた。これでトリを撃ったのだ。



「ひぃ、もうダメだぁ〜」


トリは唸りながら、目を瞑る。









◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





その1時間後、トリは唐揚げになっていた。


高貴な風貌の者が、その唐揚げを食べて言う。


「この鳥は どこのもの ですか」



シェフは答えた。


「こちら、今日取れたての 幻の美味の鳥“トリ”でございます」


「ほうほう、さすが幻の美味ですな。噛んだ瞬間から肉汁が溢れてきますよ」






















       完

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