第19話

「ほら!次は陸の番だよ!」


「ええ、、、本当にやるの?」


「当たり前でしょ!」


真由の服を見た後、真由は次に俺の服を決めようと言いだした。


「じゃあ…何着せようかなー。」


「別にどれもあまり似合わないと思うけどな。」


「よし!じゃあこれとこれ着てきて!後でまた違う服渡すから。」


「…できるだけ早くしてくれよ。」


「はーい。」


俺は真由に渡された服を持って試着室へ向かった。






◇◆◇


「あと何を着せようかなー。」


「霧宮さん?」


私が陸に着せる服で迷っていると誰かに話しかけられたのでそちらへ振り向いた。


すると、あまり見慣れない男子がそこにいた。


「…ええっと、確かよく市山君と一緒にいる…」


「ああ、俺は平識詩郎。霧宮さんの言う通り、よく市山と喋ってるな。それより、今日は霧宮さんは服買いに来たんですか?」


「今日は私と陸で服を買いに来ただけだよ。」


「陸?…ああ、倉井のことですか。」


平識君はそう言うと少し首を傾げて不思議そうに私に尋ねた。


「霧宮さんと倉井は付き合ってるんですか?」


私は予想外の質問に固まった。別に陸とはまだ付き合えてないのだが、あの距離感なら疑われて当然だろう。


「いや、付き合ってはないよ。」


私がそう言ったら平識君は目を丸くして驚いていた。そんな意外だったのだろうか。噂になっていたらどうしよう。でも陸に気づいてもらうにはそれぐらいしかないのだろうか。


だが、平識君は私のそんな考えとは全く違った答えを言った。


「お互いに好きなのに、ですか?」


「…え?」


「あれ、知らなかったんですか?市山が言ってましたよ。倉井は霧宮さんのことが好きって。」


陸が…私のことを、好き!?


え?いやでもいつも素っ気ない態度とってるし、でも最近よく陸と話してる市山君が言うなら本当なのかな。


「それは…本当に?」


「はい、まああいつが勘違いしてるだけかもしれないですけどね。」


「そう、だよね。うん。あ、じゃあ私陸の所に行くから。じゃあね。」


「霧宮さん、頑張ってください!」


「…うん。ありがとね。」


私は何故か応援してくれる平識君に苦笑いをして陸の所へ向かった。


自分の体がだんだん熱を帯びている。顔まで熱いので、今自分は顔が赤くなってしまっているだろう。


試着室の所まであと少しというところで、私の足は止まった。


「私、これからどんな顔して陸に接すればいいの!?」








—————————————————————

大 遅 刻 (七時に投稿するはずだった。)

・主人公と両想いだと勘違いしているヒロイン

・ヒロインが自分のことを好きだと気づいてない主人公

・主人公を勝手にライバルだと思い込んでるクラスメイト

…何これ?


またもや⭐︎をくれた神々がおりました。

八千矛さん。@aespaさん。

@fukurokawausoさん。@philia1280さん。

ありがとうございました!




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺は君には似合わない ʕ•̫͡•ポリエステル54杼ʕ•̫͡• @subetegagoraku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ