第18話

「…て、感じで喜んでもらえたんだよ!ありがとうね陸。」


「別にいいよ。真由のお父さんに喜んでもらえたなら。」


真由がお父さんと会い、俺が市山と遊んだ日の翌日になり、俺達は昨日買った新作のゲームで遊んでいた。


真由はお父さんにプレゼントを無事渡すことができたようだ。俺のチョイスした物を喜んでもらえたなら俺も安心だ。


「じゃあ陸、もう少ししたらまた買い物に行こうか。」


「え?また?」


「もうすぐプールに行く日でしょ。どうせ水着も持ってないんだから買いに行くよ。」


「ああ、そういえばそうだったな。」


真由に言われて思い出した。確かにあと少しで約束したプールの日だ。そして真由の言う通り俺は水着なんて持っていなかった。


「じゃあ買いに行くか…」


「うん!…とその前にもう一試合。」


「まだやるのかよ…」


わざわざ一緒に買いに行く必要あるのか?と思ったが、自主的に外出しようとすることなんてあまり無いのでこの機会に行くのもいいと思い了承した。


少しゲームをした後、俺達は俺の家から出て、またショッピングモールへ行った。ショッピングモールに着くとこの前と変わらず夏休みなので人がたくさんいたが、特に気にした様子もなく俺達は店へと向かった。


「にしても暑いねー。水着の他に服も買っちゃおうかな。」


「服か…俺も買おうかな。」


「お!じゃあ私達でお互いに相手に着せたい服でも選んでそれを着ようよ!」


「え、、、何で?」


「楽しいから!それに陸にいろんな服着させたいし。」


「絶対に後半のやつが理由だろ。俺は別にファッションセンスとか無いし、真由なら何でも似合うと思うぞ。」


「……」


「何だよ。」


真由がこちらをじっと見てため息をついた後、呆れたように言った。


「本当そういうところだよね。」


「何が?」


「ほら、早く行くよ。」


真由はそう言った後、急に早歩きになって進み出した。


「あ、ちょっと待て!」


俺は慌てて走り出し、真由と共に店の中に入った。





「…で、何でこうなってんの?」


俺は今、試着室に入っている真由を待ちながらふと呟いた。


あの後、真由と一緒に服を見ているのは良かったのだが、俺が真由の服を何でも似合うと言ったところ、俺がどのファッションが好きなのかを実際に着替えて見せることにしたのだ。


「待たせたね、陸。これならどう?」


試着室から着替えた真由が出てきた。真由は白いワンピースを着て、何故かドヤ顔で俺に話しかけた。その顔になる理由に俺は心当たりがあった。


「…一応聞こうか。何でその服にしたんだ?」


「ふっふっふ。愚問だよ陸君。君はよくゲームでこういうワンピースを着た清楚系の女の子が好きだということを私は知っているのだ!」


「人の性癖を冷静に分析して行動に移すな。」


「で、どう?似合ってる?」


真由は期待を含めた目で見てくる。もちろん答えるまでもないと思うが、また言わせたいのだろう。


「ああ、似合ってる。でも人のキャラの好みを把握するのはやめろ。」


「はーい。あ、じゃあ次は陸の番だから、また待ってて。」


真由はそう言ってまた試着室の中に入った。


調子に乗りそうだから言わなかったが、正直真由のワンピース姿は普通に好みだった。絶対に言わないが。というか今更だが、


「これって友達の距離感なのか?」


俺は友達の定義が分からなくなりそうだった。





—————————————————————


…この人達まだ付き合ってなかったんだっけ?


それはそうとまた⭐︎をくれた心優しい方々がいました。

@shikata99さん。@mori_0818_0130さん。

東雲SANAさん。

ありがとうございました!


そしてフォロー人数のほうも二百人を超えました!フォローしてくれた方々、ありがとうございました!


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