【KAC20246】とりあえず出発だ!

麻木香豆

🏰

 これはとても良い晴れの日。


「この良き日に我々は冒険を始めよう、読めばわかるさ!」

 前を立つカタリィ・ノベル。通称カタリ。


「読むことで道が開ける。困難があってもいつも笑顔!」

 後ろからリンドバーグもついてくる。通称バーグさん。


「僕もお手伝いするっぴ。物語は無限大っぴー!」

 と2人の元に飛んできたのは丸っこいフォルムで羽ばたく鳥の形をしている愛くるしい、名はトリ。


 彼らは新たなる物語を見つける旅に出かける。



 これからどんな物語に出会うのか、その物語を作り出す作家たちにその旅は左右される。


「とりあえず無難なところはファンタジーかな」

 とカタリィ。


「ちょっとベタすぎるわよ。どうせまたトラックに轢かれて転生でしょっ? 現実逃避の願望妄想の塊! 私ならとりあえず胸キュンする恋愛モノよ!」

 とバーグさんは頬を赤らむ。


「それこそベタすぎる! 現代の恋愛ものだってなんだかんだあっても最後は結ばれる。そんなのよりも恐ろしく絶望しかないホラーが断然良い」

 カタリィは声を大にして言った。


「絶望と言ったらデスゲームモノもいいわ。悩ましい」

 行く先は多岐にわたる。2人は選べず悩む。


「もうっ、選べないからトリ! 選んでちょうだい!」

 せっかちなバーグさんはトリの方を振り向くとトリはビクゥ! とした。


 トリは2人にただついていくだけで意見はするモノではないと思っていた。


 だが聞かれたら答えるしかない。


 ふふ、とトリは口の端を右に上げて話した。

「でしたらドロドロのずぶどろの現代ドラマ、またはぐちゃぐちゃ現代BL、その世界はいかがですか?」

 とキャラに合わずなことを言い出すモノだから2人は顔を引き攣らせる。


「それも悪くはないけどさ……」

「まぁ、とりあえずダンジョンもののファンタジーから進めていきましょう!」

「っぴぃ!」


 とりあえず、無難なものが一番なんでしょうね(涙)


 byドロドロのずぶどろの現代ドラマ、またはぐちゃぐちゃ現代BLを沢山書く筆者の私


 終

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