失って、すれ違って、裏切られて……それでも英雄になるということ

主人公は、俗にいう英雄願望持ちだ。
幼い頃はそんな物語の主人公のような英雄に憧れて、多くを救い、そして多くを夢見る。

だが、現実は何より残酷だった。
失って、すれ違って、裏切られて——
英雄とは言えない程に落ちぶれ、瞳は光を失い、最早英雄とは言えない別の何か。
昔希望を見た少年は、今そんな悪夢を背負ってしまった。

だが、そんな鬱展開では終わらない。
様々な人との出会いを経て、主人公は人間的に大きく成長する。
そんな中で彼が行き着いた、『英雄』とは何か。

薄っぺらいパロディ小説ではない。
引き込まれる何かが、この作品にはある。

気になった方は、是非一読してみて欲しい。
特に、第三章の閑話最後(第217話)まで。
出来れば第五章途中(第298話)まで。

ここまで読めば、後はもうゴキブリホイホイと同じ要領。
多分、手が止まらなくなるだろう。
実際、私はここから一気読みした。

女性関係にだらしがないのは少し人を選ぶかもしれないが、それでも私は大好きだ。
人間臭くて、泥だらけで、それでも英雄を目指す愚かな主人公のことが。

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