ヴァレンタイン、恋の七不思議に落ちた

　少年、水鴨秋葉(みずかもあきは)──少女、白羽詩葉(しろはねうたは)──は学校、空き教室で話していた。他愛ない話だ。授業にも関係ない、日常にあふれた噂話。
　ゴシップ好きだろうとそうじゃなかろうと、誰もがそんな話をする。そんな会話の一つ。
　日常に溶け込みながら少年は、なんてことなさそうにこう語る。
「なあ、バレンタインって海外じゃ女の子がチョコをあげる日じゃないらしいよ」
　これはそんな少年と少女日常の一コマを描く初恋の甘酸っぱい短編ラブコメ。