イラ・イラ
@aidenn
第1話始まり、そして邂逅。
自分には価値が無い。 そう思っていた。
何をやってもすぐ怒ってしまう短気な自分に呆れながら不登校になった自分の醜い顔を鑑で見る。
「何が悪かったんだ……」
平日の昼、家でそう想いながら飯を口に放り込む。 自分は悪くないと思っていた。 何をやっても人より少しでき、何をやっても人より少し短気なだけで虐められてクラスから孤立して、そんな世の中と自分に呆れていた。
無駄な時間を過ごす中、皆は有意義な時間を過ごし、どんどん自分を追い越していく。 そんな時に父から提案をされる。
それは……『野球をやってみないか?』という、希望に満ちた光の様な提案だった。
返す言葉は勿論YESだ。
無駄で、そして希望に満ちた時間が過ぎていく。 車に乗り、とある場所へと向かう。
怒土木小学校スポーツ少年団
「君が体験に来た……怒君?」
「は…はい。怒 攻一です。」
「宜しくな、俺は苛 秀介だ」
功一が服を触ると秀介は苛立ったように言葉を功一にぶつける。
「人が話してんだから服触んなよ!」
「(理不尽……)すいません……」
「分かったなら宜しい! じゃあ、改めて宜しくな!」
「(はぁ……もしかして俺と同じタイプかもな)」
それからは事はスムーズに進む。 練習を見て、体験し、実践する。 実に有意義な時間だった。
それからも事はスムーズに進む。
入って早々試合に出され、入って早々、ピッチャーをし、入って4年後、引退。
今まで目立った成績は特に無く、小さな大会で準優勝、市の大会で決勝まで進む。
練習の人数はいつも少なく、多い時でも8人位だ。
しかし人としてはとても成長した4年間だった。
中学は小学校の悪夢を再発しないように人が少ない中学校へと進む。
補足だが俺の通っていた小学校は400人程の人が多いのだが、所属チームの怒土木小学校は生徒百人程の落ち着いた雰囲気の小学校だ。
そして俺の行く守功中学校は生徒40人程のとても自分に合った学校だ。
「って、なんで秀介が居るんだよ!」
「野球クラブなんだから当然だろ」
「とは行っても、お前が硬式にくるなんてな!」
「功一も変わったな。 最初の頃は……」
「古傷を抉るのは辞めよう。 まぁ、宜しくな!」
2人は奇跡的な出逢いで共になる。 これから2人の人生が大きく変動し始める。
イラ・イラ @aidenn
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