短編『ささくれに絆創膏』の続編なので、ぜひ前の話から目を通していただきたいです!現代のようにネットもなく、相談するべき場所を調べることもできなかったであろう、閉塞的な昭和時代だからこそ生まれる男女の絆が瑞々しく描かれています。時代は変わっても思春期の恋ややるせない気持ちは同じ。応援したくなる二人の、友達以上恋人未満な関係を少しのぞいてみませんか?
中学生の不良男子。想いを寄せる先輩のために思い付いたのはあまりにも幼い「強くなる」ということ。青臭く、ほろ苦く、問題を抱えた二人だけれど、それでも互いに、依存しあい、思い合い、互いの幸せを願う時、剥き出しの棘は柔らかくて優しい。切ない別れの季節に、散る桜の花びらのように。