おまけのおまけ
※結婚式前の話になります
◇◇◇
うぅ…… んっ……
な、なんだぁ? ……下の方でモゾモゾと…… しかもスースーする……
「んふふっ、おはよ、今日もあなたは元気ね」
ユ…… ア? ユアの声も下の方から聞こえる……
「うんうん、んふふっ…… 可愛い……」
電話かな? ……誰と話しているんだろう……
あれ? 俺達、二人で並んでベッドで寝ていたよな? ……んん?
「ふーっ! よしよし……」
はぅっ! ……って!
「ユア!? 何してるの……」
刺激を受けて目を覚まし、布団を捲ると…… そこには俺の足の間で太ももを枕にしつつ小さく丸まるように横になっているユアがいた。
「何って…… カメトークしてたのよ」
……はっ? 何それ、聞いたことないんだけど。
「んふふっ、近く話しかけると『ピクン』として、よしよししてあげると嬉しそうに『うんうん』って頷くのよ? んふっ、可愛いのよねー」
いや、意味分からないんだけど……
「それにね? 『頑張れ』って応援してあげるとピンと立ち上がって『ありがとう』って会釈してくれるのよ」
……ユアちゃん、変な遊びを覚えないで!
「んふふっ…… それにカメトークをしてるうちにヨウも目を覚ますし…… んっ……」
……あっ!! パック○チョ!!
…………
…………
「ユア…… もうああいうのはやめてね?」
「ああいうのって、カメトークのこと? ……イヤよ!」
「…………」
「んふふっ、だって可愛いんだもーん!」
いや、可愛くないから…… それに朝からパック○チョは色々な意味で目が覚めちゃうんだよ。
「それよりも今日は式場の下見だよ? こんなにのんびりして準備は大丈夫?」
「大丈夫よ! ……さて、準備の時間もあるし、さっとシャワーに入っちゃいましょ?」
「うん……」
一緒に入るのが当たり前になりつつあるのがちょっと気になるが、狭い風呂場で二人でほぼ密着しながらシャワーを浴びて、ユアは髪のセットやメイクの準備。
俺はそんなユアの髪を乾かしたり、鏡を持ったりとお手伝いをする。
「んー、結婚式前にもう一度髪を染めないとダメねぇ……」
「髪の根元の方が黒く目立つようになってきたね、でも…… 何で金髪にしてるの?」
再会した時からユアはずっと金髪だ。
それに褐色の肌だし少しセクシーな服を好んで着るからギャルっぽい見た目をしている。
高校時代から下らない噂を信じた男の人に迫られて迷惑していたと言っていたのに、何でそういう風に見える格好をするのか、ずっと気になってはいたんだよ。
……俺はもちろん見た目も好きだけど、ユアの元気で明るく、そして色々と気配りが出来る優しさに惹かれたんだけどね。
多少ワガママなところもあるし、甘えん坊なところもまた…… 可愛いんだよ。
「んふっ、それはねぇ…… あたしがジムで格闘技習っていたって言ったでしょ? そのジムの先生が…… あたしと似たような小麦色の肌に金髪だったから、憧れて真似してるの!」
「あっ…… そういえば女性の先生って言ってたよね! へぇー、そうなんだ」
「先生は強いし、それに美人でスタイルも良くて…… しかも旦那さんとラブラブなのよ! ……んふっ、そんな姿に憧れたの!」
ああ、いつもジムに行けば夫婦でスパーリングしているとか言ってたね…… 寝技ばかりと言っていたのが少し気になった覚えはある。
「あとは…… ヨウが好きかなぁー? と思って金髪にしてるのよ!」
「お、俺が!? そんな事言ったっけ?」
「…………『黒ギャルお姉さんのムッチリワンダーランド』」
なっ!?
「……『黒ギャルづくし六時間スペシャル』」
なぜ…… それを!!
それは社会人になってから購入した…… ムフフな動画のタイトル!!
……えっ? しばらく観てないし、もうだいぶ前に削除したはずなんだけど何で知ってるの!?
そして、俺が何も言えずにアワアワしていると……
「んふふっ、ヨウのことなら何でも分かるんだから! それにもう必要ないよね? ワンダーランドも、何時間でも…… あたしがいるから…… ねっ?」
あ、あはは…… あはははは……
「はい…… ありがとうございます……」
何となく感じていた……
俺のツボを心得ているような言動や行動…… それに俺の好みなども色々……
もう俺は…… 再会した時からずっと、ユアと人生を共に過ごす運命だったのかもしれない。
「ヨウ、愛してるわ! んふふっ……」
頼めばヤらせてくれると噂だった黒ギャルビッチが、なぜか俺に色々頼んでくる ぱぴっぷ @papipupepyou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます