LINEの使い方と黒歴史
キザなRye
第1話
これは私が高校1年生のときの話である。毎日のように雨が降る季節を迎えていた。急に複数件のLINEが来た。
「この際だから言っておくけど俺お前のこと嫌いだから」
「金輪際関わらないで欲しい」
何故だか私にも理解出来ないが、相当嫌われているらしい。このメッセージが送られてくる直前は私がしたことに対しての抗議のようなメッセージだったが、その行為だけでこうなったのではないことは明らかになっていた。ちなみにいくらか期間を経た今でも理由はよく分かっていない。
私はまだLINEをちゃんと使い始めてから1年経っていなかったのでどういう返信をすれば良いか、相当困った。スマホ自体は小学校の卒業くらいから持っていたが、親から友達とのLINEは許可が下りなかった。中学2年生の始めくらいには友達とのLINEも解禁されたが、それから少しして他の端末でLINEをログインしようと試みたときに元々のLINEのデータが消滅してしまった。そこからはLINEを復活させるのが面倒なこともあって両親と兄弟以外の人とのLINEをすることはなかった。中学3年生になってからようやく重い腰を上げて家族以外の人とのLINEを始めた。
結局何を血迷ったのか、謝る部類のスタンプを送信してしまったのである。このとき、これが相手をより怒らせるだなんて思ってもいなかった。私が送信したスタンプを見た会話の相手は当然のことながら怒りを増したようで
「なに、面白いと思ってんの?」
と文面だけでも分かるくらいの強いメッセージを受け取った。もう恐怖を感じる以外に私が感じたものはなかった。
LINE上で行われたこの会話の次の日からはもちろんのことながら会話の相手との対面・オンライン上の会話はなかった。スタンプを使ったというミスがもしなくてもこういう展開を迎えた可能性は大いにあるが、翌日からの状況で失敗したなという負の気持ちに苛まれた。
LINEがあった日にはスクリーンショットでLINE上の会話を共有してどうすれば良かったのか当時1番仲の良かった人に話を聞いたし、部活でもLINEの画面を見せて話を聞いた。もちろんスタンプのことを指摘される。これがなければ、とまでは言わないが、確実にこれはいらない行為だったと言われた。
その日からLINEのスタンプの使い方には細心の注意を払うようになった。人間関係が変化するという痛みも背負ったが、それによって得られたものは十分に大きかった。正直、あまり表には出したくない黒歴史である。
LINEの使い方と黒歴史 キザなRye @yosukew1616
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます