ささくれの治し方

浅川さん

ささくれの治し方

 ささくれって地味ですよね。

 痛くないけど痛い。気にならないけど気になる。

 治りそうで治らない。

 でも、気づいたら跡形もない。

 ある日突然再発する。


 そんな地味なささくれにお困りの皆様に僕の個人的な治療法を伝授しようと思います。



 まず、指をちぎります。




 嘘です。

 指が無くなってしまうので絶対に真似しないでください。



 まず、ささくれができている指をよく確認します。

 どうですか?少し腫れてたりしますか?

 剥がれた皮膚がぴらぴらしてて邪魔ですねー

 でも、引き千切りたい衝動は抑えてください。

 それをしてしまうと大惨事につながり、最悪死にます。



 さて、では治療法ですが、まずは神に祈ります。

 祈る内容はなんでもOKです。僕の友人は「頭がよくなりたい」といつも祈っています。そんな感じで大丈夫です。

 簡単なお祈りが終わると、まずは流水でささくれができてしまっている部分をすすいでください。

 この時、石鹸をつける必要はありません。

 また、ごしごし擦る必要もありません。

 ただただ水に流してください。


 洗い終わったら、タオルなどで水気をふき取り、キッチンに向かいます。

 そしてまな板の上に手を置き、包丁で…………ああ、このネタは最初にやりましたね。

 失敬、失敬。


 では、せっかくキッチンに来たので簡単な豚バラと白菜のミルフィーユ鍋のつくり方を伝授しましょう。


 まず鍋に軽くごま油をしき、そこに白菜の芯の部分を敷き詰めます。

 なべ底が見えなくなる程度しいたら豚バラを白菜が見えなくなる程度に薄く敷きます。この時、できれば一口サイズに切っておくと、食べやすくてよいです。お肉はなるべく薄切りのペラペラしたものを使いましょう。

 お肉の次は白菜、その次はお肉と交互に重ねていきます。他の具材としてはもやしもおすすめです。

 なお、野菜とお肉の比率は肉1に対して野菜2~3が好ましいです。肉が多すぎるといまいちになります。


 全ての野菜と肉を重ね終わったら茶碗一杯分ぐらいの水でヒガシマルのうどんスープを溶かしてぶっかけます。※1人前の場合は1人前分使用。人数によって調整してください。


 以上で準備完了。あとは火にかけ最初は弱火、スープがたまってきたら中火ぐらいにします。あとは状況見て判断してください。

 必ず鍋はふたをしてください。


 最初にうどんスープを溶かすために使った水以外は入れなくても、野菜から出た水分でおいしいスープができます。


 最後に味見して、薄いと感じたらめんつゆとか醤油とか胡椒とか足すといい感じになるかと思います。


味は出汁の旨味、豚の脂と野菜の甘味がたっぷりで、スープが白菜やもやしにシミシミで美味しいです。トロトロの白菜と豚バラが合うんですよ。


ミルフィーユ鍋のレシピは複数ありますが、ヒガシマルのうどんスープを使うのが個人的に一番カンタンだし安いし、確実に同じ味を再現できるのでオススメ。うどんスープの素は何でも使えるのでわが家では常備しています。味付けに困ったらとりあえずうどんスープ入れとけば間違いない。たぶん。


 白菜を手でちぎり、肉を切らずにぶち込むなら包丁すら使わず、ほとんど放置で作れる上に野菜も取れて比較的塩分も少ない。それなりに米も進むというコスパの高いお鍋となっております。洗い物も楽なので一人暮らしの方におすすめ。





 さて、本題に戻りましょうか。



 皆さんは忘れているころかと思いますが、この話、「ささくれの治し方」ってタイトルなんですよね。


 じゃあまずはささくれている指に絆創膏を貼りましょう。



 以上です。



 完


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