【プロトタイプワールド】れっつ にゅーらいふ!【ニコ/Re:にゅーらいふ!】
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「ん〜っ!ふぅ…あきちゃんそろそろ起きたかな〜」
…うん、まだ寝てる気がする。
でも今日はあきちゃんの家待ち合わせだし!私の方がそろそろ準備しないとね。
そう焦りつつ私は観ていた動画を消すためにパソコンを操作する。
画面に映っているのは私はよく知らないVRMMO配信者の動画の数々。
VRMMO、最新のVR技術を用いて仮想空間内の世界に入り、実際に五感を使って一人称視点で遊ぶフルダイブ型MMORPG。
いつからだっただろうか、あきちゃんなら詳しく説明してくれるだろうけど私はゲーム自体あまり触れてこなかった為にあまり知識はない。
しかしいつからかこのVRMMOは、新作ゲームが出ると聞けばVRMMOのソフトだと無意識に連想する程の、ゲームと言えば誰もが思い浮かべるそんな存在に成り上がった。
そんななか私はフルダイブ型VRヘッドセットに昨日初めて触れたような完全初心者だ。
あきちゃんの熱意に背中を押されやっと購入に踏み切った!ドンドンパチパチ
とはいえいきなり仮想空間?に行くのも怖かった私は、こうしてVRMMO配信者達の動画を昨夜から見漁って予習をしていた。
まぁどんなソフトをプレイするのかはまだ分かってないんだけど……
あきちゃん絶対にやって欲しいって言ってたけど、流石にホラー系じゃない、よね?
流石に親友を信じたいと首を振り気持ちを切り替え、私は箱に入れたままのヘッドセットを抱えて家を後にした。
そんな彼女のパソコン画面に映るVRMMO配信者の動画の数々の中、画面の端に、
圧倒的再生回数を誇る僅か5日前の動画が映っていた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
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【プロトタイプワールド】れっつ にゅーらいふ!【ニコ/Re:にゅーらいふ!】
「ん、ちゃんと映ってる?」
真っ白な空間を背景にRe:にゅーらいふ!所属のVRMMO配信者ニコが立っている。
・きちゃ
・うつってるよ〜
・ちゃんと確認して偉い
・こんニコ!
今日も勢い良く流れ始めるコメント欄に軽く頷くとニコは少しの気合いを入れて挨拶を始めた。
「今日も笑える物語をここに刻もう。Re:にゅーらいふ!所属のニコ。…えっと、宜しく?」
・どうした?
・久しぶりちゃんと挨拶聞いた気がする
・草
・かわいい
・この挨拶好き
・今日はレアなニコちゃんだね
・もしかして気合い入ってる?
「うん、タイトル伏せてたけど今日はサプライズ案件だから」
「というわけで今日は『プロトタイプワールド』の世界にれっつごーしていこうと思う」
・知らないゲームだ
・新作?
・え?都市伝説じゃなかったけ?
・?????
・プロトタイプワールド⁉︎案件⁉︎
「驚くのも分かる。私も噂程度にしか知らなかったから話が来た時ビックリした」
「んー、もう早速始めようか」
・いや説明しないんかーい
・それはビックリする
・ほら百聞は一見にって言うから
・これがニコクオリティだから
・にゅーらいふ!
「⁉︎」
「皆んなこれ見えてる?」
ソフトの起動ボタンを押し、ログインを始めようとしたニコの前にとあるディスプレイが現れた。
《これからキャラメイクに移ります》
《キャラメイク時は撮影及び配信ができません》
《キャラメイク中に配信用『プロトタイプワールド』紹介PVを流しますか?Yes/No》
「バイバイ皆。私キャラメイク時間かかるかも」
・ノータイムでリスナー見捨てたな⁉︎
・PV流れるゲームは信用できる
・白背景見続けることにならなくてに良かった
・これプロトタイプワールド起動できたってこと?
・キャラメイクとかどんなに時間掛けてもたりないんだから好きにすべし
「ん、今日のところはまずキャラメイク終わらせてその後最低2時間は配信するから。」
「待ってて」
・ok風呂入ってくる
・楽しんで!
・プロトタイプワールドのPV????
・え?これもしかしなくても伝説じゃない?
・プロトタイプワールド全く知らないし調べるか
•
•
そうして、後の騒ぎなど感じさせない程静かに始まったこの配信は、PV映像、本配信と続くにつれ『プロトタイプワールド』へ興味を集め、
配信終盤には約4.7万人もの視聴者を集めて終了した。
NPCが重すぎでログアウトもつらくなってきた(仮題) 村雨 @murasame08
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