第43話・エピローグ
イレギュラーボスを倒した
捨て駒になるはずだった学園の大部隊だったが、調査したところ何もなくて拍子抜けしたみたいだ。
そのおかげで人命は助かったが、学園の上層部にはいい印象には映らなかったらしい。
「報告は以上になります」
「お、おう。それで赤ローブが落とした魔石以外はコッチがもらっていいんだな」
「ですです」
風紀部隊が集まる無駄に高いクランハウスの客室。
そこでゆっくりとお茶を飲みながら、真顔の池上が報告を終えた。
ちなみにアイシアは俺の隣に座ったまま動かない。
「それで
「まだ調査は続いてますが今ところは問題がないですね」
「ほうほう」
あのー、隣にいるアイシアさんの威圧感がすごいんですけど?
部屋が凍るような感覚にガタガタ震えていると、無言だったアイシアが口を開く。
「報告は終わりかしら?」
「え、ええ、ワタシからのお話は以上です」
「そう。なら報酬を貰うわね」
「報酬……。あっ!」
な、なるほど。
アイシアがニッコリと笑みを浮かべつつ立ち上がり、平手に魔力を込め始めた。
「さあお尻を出しなさいメスガキ一号」
「ま、まさかここでお仕置きされるのですか!?」
「そうよ? てかなんで服を脱がないの?」
「へ?」
あ、これはやばい。
アイシアの言葉に固まる地上を尻目に、俺はザマァと不安な気持ちでいっぱいになった。
「フフッ、貴女にはしっかり躾をしないとね」
「ひいいぃ!?!?」
この後、客室内にお仕置きの音が長い間響くのだった。
《アウト描写カット》
ーー
地上がアイシアに処刑された後。
俺達は満足したのて地上を女性風紀委員に任せてクランハウスから出ていく。
「さてとお昼ご飯の時間だから食堂に向かうか?」
「そうね! あ、今日もたくさん食べるわよ!」
「お、おう」
いつもと同じく一万円くらいは食費が飛びそうだな。
まあでも前のボスRTAとかでお金は稼いでいるのでなんとかはなるか。
そう思いながら歩いていると、アイシアが嬉しそうに俺の手を握った。
「なんかダンナと一緒にいるのが当たり前になってきたわね」
「んー、俺も同じく」
「やっぱり!」
「うおっ!? いきなり抱きついてくるなよ!」
「フフッ、別にいいじゃない!」
油断しているとアイシアに抱きつかれてしまい、思わず体勢を崩してしまう。
すると彼女は目を閉じた後、コチラに顔を近づけてきた。
「お、おい! むぐっ!?」
「ムフフ!」
外なのにマジかよ……。
俺はなんとか避けようとしたがアイシアの方が力が強いので逃げられなかった。
そのおかげでアイシアが満足するまでキスが続く。
「ぷはぁ! これよこれ!」
「え、あ?」
「ん? ああおかわりもするわね」
「ま、マジで……」
さっきので満足しないのかよ。
そう思いながらアイシアが本当の意味で満足するまで、デープキスが続いていく。
まあでも、一ヶ月前のボッチな時よりも今の方が楽しいな。
「ムグググッ」
ただ思った以上に青春が濃くなっていると感じるのはコチラだけだろうか?
そう思いながら俺は、アイシアからのキスを受け入れていくのだった。
〈余談〉
流石に個人寮では狭かったので二人で暮らせるファミリー用の寮を借りることになりました。
そのおかげで余裕はできたが……。
「次に行くわよ!」
「ま、まだ買いにいくんスか!?」
「流石にきついから抑えてもらえるとありがたいんだけど?」
「いやよ」
「「えっ?」」
パシリの爆山さんと共にアイシアの買い物に付き合わされるのだった。
「ハハッ、これもう完全に振り回されてないか?」
大量の紙袋を持つ中。
俺は思わずショッピングモールの天井を見上げながら呟くのだった。
根暗な魔法使いが好感度MAXなメンヘラ女騎士を召喚したら灰色の青春が鮮やかになりました! 影崎統夜 @052891
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます