最終話 行は酔い良い、帰りは非情
「あれこっちにも、ミミックに食べられた跡があるよ」
桃子ちゃんは宝物殿を走り回りながら、幾つかを指し示した。
小梅はぼくの背中から、飛び降りると
「桜子ちゃん、侵入され過ぎじゃない?」
「大丈夫よ。今週は第3宝物殿誘導週間なの、だからね、罠の一部を解除して盗賊の皆さんを誘導して、ミミックに食べられてもらうの、それだと、危険を冒さずどれがミミックか解るでしょう」
なんか桜子さんが、怖い事言い始めたけど。
なんか伯爵家怖い。
「それに貴重な宝箱と解っているのは、クロースさんたちに、第2宝物殿に移してもらっているから」
「でも、もし本物かも知れない宝箱を持ち去られたら?」
「行は酔い良い、帰りは非情、だから大丈夫よ。それに腕の良い盗賊さんが、こんな簡単な噂を信じるとは思えないし」
こんな感じで、ぼくらは幾つかのミミックを破壊した。
そして、消去法でいつの日か本物の【青銅の自動人形タロースの生成術式書】を、手にするのだろう。
無理せず何かを手に入れる・・・伯爵家、恐るべきだ。
さて、桜子さんにおんぶして貰う件だが、一仕事やり終え満足した桜子さんは、その件を忘れてしまったみたいだ。
ぼくは桜子さんの背中を眺めながら、家路に着いた。
完
自宅警備兵団と伯爵家の三姉妹 伯爵家の秘宝 五木史人 @ituki-siso
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