エピローグ

 創作活動は模倣から入るという考え方がある。パクリを容認するわけじゃないが、先人の良い部分を取り入れることは悪いことじゃない。そこから新しいものを生み出すのが、真のクリエーターだろう。


 漫画家Xの『Z』を読み返して感じたことは、オリジナル部分が意外と多いということだ。例えば、監督の娘と主人公との恋愛模様を描き、それをライバルとの三角関係に落とし込む展開は、水島漫画にはなかった。真っすぐな主人公には感情移入ができるし、チームメイトやライバルも生き生きと描かれている。だからこそ長期連載になり、Xの代表作になったのだろう。


 水島漫画の大長編『あぶさん』と『ドカベン』は無事完結した。

 水島新司先生は2020年12月に引退を発表、2022年1月に亡くなった。

 新作は読めなくなってしまったが、水島漫画は今も輝きを放っている。



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小学生が漫画家Xの罪を暴く 坂本 光陽 @GLSFLS23

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