【KAC20242】異世界内見

あばら🦴

異世界内見

 女神「こちらの異世界はどうでしょうか? 王道の中世ファンタジーですよ」


 男「なるほど。雰囲気が良いですね〜。RPGゲームに近い世界観みたいだ。それで、この異世界で貰えるチート能力はなんですか?」


 女神「呪いの装備が最強だった、というチートです。誰にも負けなくなりますよ。ですが主人公が精神的に苦しくなるという欠点がありますよ」


 男「あ、そういうのがあるんですね。たまにありますよね〜。でも僕はそういう欠点があるの、悪いとは思いませんよ」


 女神「そう言ってくださると嬉しいです。それからこちらの資料をご覧下さい。ヒロインとして設定されている人物です」


 男「あぁ〜なるほど。ヒロイン枠なのに控えめな胸のサイズは珍しいですね。作者は女性ですか?」


 女神「いいえ。男性ですよ」


 男「そうですか。あとヒロインのプロフィールも書いてますけど、やけに事細かいですね。故郷の村を焼かれてるんですか……」


 女神「はい。そこにこだわる作者らしいです」


 男「うーん……少し作者の資料を見せてもらっていいですか?」


 女神「はい。こちらをどうぞ」


 男「なになに……えーっと……あ! やっぱり思った通りだ!」


 女神「何か分かりましたか?」


 男「いやね、何か嫌な予感がしたんですよ。タダでチートさせないところとか、ラノベではなくゲームっぽい世界観とか、やけに詳しくて暗くて読者に媚びてないヒロインの設定とか。なので思ったんです。この作者、実はずっとシリアスなものを書いてきたんじゃないかと」


 女神「だから作者のプロフィールを確認したんですね」


 男「そうなんですよ。思った通りだ、この作者ずっと好き好んで暗いのを書いてるじゃないですか。なのでこの異世界ものもシリアスな展開が多めそうで、あんまり気が進まないんですよね〜」


 女神「分かりました。ではどんな作者の異世界がよろしいか聞いてもいいですか?」


 男「恋愛ものをよく書いてる作者さんの異世界ものってありませんか? 恋愛書きってラストは基本的にハッピーエンドじゃないですか。ストレスの無い良い異世界がありそうだなぁ!」


 女神「了解しました」


 女神(恋愛書き、途中で暗い展開を仕込みがちだけどね……)


 終わり

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