第3話 19世紀風の都
そのプラットフォームには、19世紀風の服装をした欧州人達もたくさんいて、時々、これもまた19世紀風の服装をした獣人達も見受けられた。
「感動しているようで申し訳ありませんが、すいかマンションに行く為には、まず、こんl駅を出なければなりません。」
少年は、2枚の券を私に見せた。
「右の方が私。左の方が貴方のです。
これを中央改札口前広場にいる駅長さんに見せれば出られます。では、行きましょう。」
少年に誘導されるがまま、私は、この荘厳で巨大な「神殿」のような建物の中を移動し、中央改札口前広場に着くことが出来た。
「駅長さん、お願いします。」
少年が言った。
駅長は、髪を剃らずにまげを結っていて、瞳は大きく、豪勇そうな雰囲気をもつ、たっぷりひげをたくわえた、東アジアの人物とみえた。
「どうぞ。」
駅長がそう言った途端、中央改札口の自動改札が全て一斉に開いた。
利用者達は一度通行を止め、私達を通してくれた。なぜかものすごく良い待遇だった。だから、少し恐縮した。
外に出ると、そこには1980年代につくられたとみえる日本製の大型バイクがあった。
「今からこのバイクに乗って、『この国』の長距離輸送高架道路に乗ります。では、乗って下さい。」
言われるがまま、私はバイクに乗った。
10分後、バイクは「高架道路」に進入した。
「高架道路」からは、東京の日本橋のような景色が広がっていた。
皇居のような建造物もあったが、『以前の国』とは違って、人々を圧倒しうる壮大な天守閣があった。
これは「世界線の揺れ」というものだったのだろうか。
もし、それが正しいとすれば、明暦の大火は無かったのだろうか。
一時間程、移動すると、「この国」の首都を出た。
出てみると、そこにはどこまでも広がる、たくさんの虎がいそうな竹林が広がっていた。
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