漫画家の夢を諦めました

 小六になり夢のため、池野恋先生に憧れていたので、集〇社「りぼ〇」に応募を決意する。


 男子とほぼしゃべらない陰キャ桃子。まだ小学生なので、漫画や姉兄から聞いた想像上の学園生活。少しだけストーリーを思い出してみる。(ホワホワ💭)


 中学生の恋愛話。たしか矢沢あい先生のおしゃ恋をマネた話です。憧れのバスケ部の先輩に恋をする主人公の女の子。だけど先輩には美人の彼女がいると知り失恋して涙を流す(完)。


 小学生なんだから普通にハピエンでいいのに。矢沢あいに影響されリアリティを出すため、バッドエンドなのですね……⁉(;''∀'')💦 妙に大人で自分が怖い……。題名は『雨の○○』ノートに書いてないので、○○部分はわからないです。ピアノ習っていたので、ソナタやセレナーデとかそんな感じだったかも。(渋っ)


 夏休みが始まると、応募するため、画材道具を探すところから始めます。田舎なんで、漫画の画材道具なんて近所で売ってない。(その頃なんてデジタル化していない。Amazonもない)丸ペン、Gペンを隣町の雑貨卸しているナントカ商会まで買いに行き、埃まみれの棚にあった丸ペン、Gペンを入手する。今考えたら、小学生が一人で突然会社にやってきて、従業員さんもびっくりしたでしょうね。


 なけなしのお小遣いで買った画材なので、高価なケント紙で絵の練習なんてできないし、ぶっつけ本番です。唯一、漫画家の夢を知っている友達ニコちゃんに手伝ってもらいながら、墨汁でペタペタ。スクリーントーンを切って貼り、32ページ書き上げる。夏休みが終わる頃、無事完成させ、郵便ポストに投函しました。



 ……はい。結果は箸にも棒にも掛からぬ感じです。そりゃそうです。


 余談ですが、小六が考えた漫画のペンネーム、いまだに兄は覚えていて、


「あのころ漫画家になりたがっていたよなー。ペンネームさ~ダサかったよね? 星……なんだっけ? いかん、妹のことを笑っちゃいかん……(((*≧艸≦)ププッ」


 今でも時々思い出しては肩を震わせ、腹を抱えてわらう兄( ;゚皿゚)ノシ カワイイ妹の夢をせせら笑うアノヤローめ。軽くトラウマで今回は普通の名前になってしまいましたが、いつかペンネーム変えようと思います😡=3


 さて、第二弾の応募しようと意気込んでいたころ、桃子の実家から歩いて四十秒で着く友達の家があるのですが、その友達アヤちゃんのお姉さんが、賞金目当てで描いた漫画を「なか〇し」に応募したら、なんと佳作を受賞したのです。


 え……(´゚д゚`)ショック


 当時の佳作の賞金って15万くらいでしょうか? 子供だったから「お菓子に服に買いたい放題だ!」って思いました。


(小さい頃から知っているお姉さん、絵が描けるなんて知らなかった……)


 友達のお姉さんは高校生で、大人っぽくて目立つ存在。キレイ系ヤンキー風(見た目)、村では美人と評判の姉妹だった。田舎なのに服装もおしゃれで洋楽を聴く。部屋もモノトーンで統一してある。高校生になると、さらに色っぽくて、サラサラで長い髪をかきあげる仕草が似合う。男友達も多くて、モテモテだった。


 友達に頼んで、こっそりお姉さんの練習した絵を見せてもらったら、粗削りだけど、センスがある。Σ(・ω・ノ)ノ! わたしと全然レベルちがう……。しかも制服の描き方がおしゃれで、それに、お姉さんは親に隠れて彼氏がいたので、男子との会話が超リアル。実在した、いくえみ綾のキラキラ陽キャ世界☆


 講〇社の方は車で何時間もかけて田舎まではるばるやってきたので「東京からえらい人がきたぞー」って、田んぼだらけの長閑な村では大騒ぎ。

 そして友達のお姉さんに「漫画家デビューしませんか」とお願いしていました。


 漫画家になりたいダサ絵のわたしと、軽い気持ちで応募したセンスの塊のお姉さん。編集者プロの目から見ても、キラッと光る才能があったのでしょう。わずか四十秒で着く友達の家、なのに天と地ほど違う。


 桃子は悟った――(゜ロ゜)


(多分、わたしの家に集〇社は来ない……)



 清々しいくらい、きっぱり、サッパリ、夢を諦めました(≧▽≦)



 そんなことってあります? 純粋な子供の夢を粉々に打ち砕くなんて~(*゚∀゚)ここまでくると笑いの神様が降臨したのかと思うわ……。



 ***



 ちなみに、何度も講〇社の社員さんが説得しに来ていたけれど、友達のお姉さんは漫画家になることを最後まで首を縦に振ろうとはしなかった。

 理由は「本当に賞金目当てだった、あと彼氏と遊べなくなるから」だって。


 その後、友達のお姉さんは、都会に住み、フリーペーパー雑誌のイラストを手掛けていたような……? でも友達に聞くたび違ったりするし、奥歯に物が挟まったような言い方だったので、案外、漫画家になっていたりしてね(*'▽')b


 以上、桃子の漫画みたいな黒歴史でした🍑✨

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わたしが小6で漫画家の夢を諦めた理由 青木桃子@めまいでヨムヨム少なめ @etsuko15

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ