一軒家の内見
蔵樹紗和
第1話
以前とある不動産会社の店舗にて、俺は条件に合う物件を探してもらった。今日はその物件の下見に来ている。
「こちらが、ご案内させていただいている物件です」
「おぉ、思っていたよりも大きな家ですね」
もう少し小さめな家だと思っていた俺は一人で住むには大きめなことに驚く。庭も広い。外見はいい感じだ。
俺からの条件は、一軒家で、3000万円前後で買え、出来るだけ築年数が浅い物件であること。
その他の条件はつけず、出してもらった物件の中で1番良い物件を買うことにしている。
今日来たのは、良さそうな物件の一つ。俺よりも若い女性の方に案内をしてもらっている。
「それでは、中に入りましょうか」
「あ、はい。よろしくお願いします」
家のドアを開けてもらい、俺は部屋の中に入る。
中に入った最初の感想は、木の柔らかな雰囲気が全面に出ていて素敵な家だということだ。
「こちらがリビングルームです。かなり広いお部屋ですし、のんびりと食事を堪能することが出来ますよ」
「確かにそうですね……。ここは冷蔵庫を置きたいです」
まだ購入すると決定していないのに自分が住んだ場合の妄想が膨らむ俺。
他の部屋も気になってしまいずかずかと奥へ入っていく。
「わぁ。ここは屋根裏部屋もあるんですね」
「はい。しばらく使わないものをしまっておくことが出来るので、便利ですよ」
「おぉ。良いですね。ここは自分の部屋にするかも」
そんな話をしている内に屋根裏部屋が余計に気になってしまった俺は、案内の方に顔を向けて、子供みたいに問いかける。
「あの、屋根裏部屋は今見れますか?」
「大丈夫ですよ」
「ありがとうございます!」
はしごを使って屋根裏部屋に入る俺。中を覗くと、薄暗い。
「よく見えないな……。ん? なにかがいる?」
更に中を覗く。すると目の前に、ネズミが飛び出してきた。
「うわぁっ!」
布団から飛び出す俺。そう、あれは夢だったのだ。
起きる気が無くなっているため、俺は二度寝をした。
一軒家の内見 蔵樹紗和 @kuraki_sawa
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