三馬鹿と日本屋敷

蠱毒 暦

番外編 探索と末路

夏休み初日。谷口に呼ばれたやまねと山崎は山奥にある古びた日本屋敷の前にいた。


「…いやぁ待ってたよ。2人とも。」


制服姿の谷口が手を振りながら、遅れてやって来る。


「あっ、終業式ぶりだね谷口くん。」

「初日からやまねちゃんの愛らしい顔や体操着姿を見れて私は幸せだよ…」

「そんな事言わないでよ……僕は男なのに。」

「ヘヘッ…おっ、ちょっと照れてる?照れてるんじゃないか…イダダダダダダダ!?!?」


いつもの様にやまねをからかう谷口の耳を山崎が思いっきりつねった。


「まっ…やめて、タンマタンマーー!!これ以上は私の耳が引きちぎれるよ山崎君!?謝るっ、謝るからさぁ!!」

「…やまねをからかいすぎるなよ。お前は本当にいつもそうだよな。」

「イデデデデ!!!…あのさ、冷静に言ってないでさ…っ、私の耳から手を離してくれ!!」

「下さい…だろ?」

「…ぐっ、私の耳から手を離して…下さい。」


苦虫を噛み潰したような表情をしながら谷口が言うと、山崎は耳から手を離した。


「…ああ痛いなあ、もう。」

「大丈夫?谷口くん…ごめんね。僕のせいだよね。」

「いや全面的にアイツのせいだからな、やまねは気に病まなくてもいいぜ。」

「…でも。」

「まあ、これについては私がちょっと調子に乗ってやりすぎたよ。ごめん…やまねちゃん。」


やまねに謝っている谷口に山崎は聞く。


「で、お前は何の為に俺達を呼んだんだよ?」

「…メールで送られて来てなかったかい?」

「うん、僕のスマホにも来てたよ。聖亜くんは見てなかったの?」

「は…?マジじゃねえか。」


山崎がガラケーを出してメッセージを黙読する。


(『夏休み初日で悪いけど、ある屋敷を内見して欲しいんだよねー。私の親戚の人からお願いされちゃってさ。だから一緒にやろうぜ☆』か。)


山崎は谷口に無言で殴りかかった。


「…っ、何だい!?唐突にーー」

「何でわざわざ、夏休み初日からお前の手伝いしなきゃなんねえんだよ!?」

「ブッ…私達は友達…いや大親友じゃないか!!」

「だから、面倒事は分かち合おうってか?ふざけんなよ!!」

「聖亜くん、落ち着いて!元々僕が最初に伝えてなかったのが悪いんだから。」


やまねの言い分で、山崎は谷口を殴るのを一時的に止めた。


「…チッ。この辺りで俺が武者修行してて良かったぜ。偶然、やまねが俺を見つけてなかったらお前達を手伝えなかったからな。」

「まあ、私としてはやまねちゃんとデートしてるみたいで…はっ、まさか山崎君がいない方が良かったのでは…?」

「あーそういえば、ここは人里から離れてて死体埋めるのに丁度いい立地だと思わないか?」

「っ、じゃあ…各々、担当場所をちゃあんと見てきてくれよ。夕方くらいになったらここ集合で。はい解散!!!!」


山崎に殺される前に谷口は、日本屋敷へ逃げるように入って行った。


「…くそ、俺をハブろうとしやがって…。」

「聖亜くん?」

「あ?…何でもねえ。それで俺はどこ行けばいいんだよ?メールには書いてなかったぞ。」

「えっと、聖亜くんは…『離れ』だよ?谷口くんからメールで送られて来てない?」

「…あの野郎、次会ったら八つ裂き確定だな。で、やまねはどこ担当なんだ?」

「僕は『納屋』かな。谷口くんは『母屋』って書いてあるよ。」


やまねのスマホを見せてもらい、少しして山崎は納得した様に頷いた。


「よし、分かったぜ。じゃあ早速行ってくるわ…あの見えてる建物だよな?」

「…うん。ここ結構広そうだし、迷子にならないようにね。」

「ハッ、問題ねえよ。やまねこそ…怪我とかすんじゃねえぞ。」

「聖亜くんも気をつけて。」


そう言って山崎とやまねは別々に行動を開始した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーー同時刻…屋敷の中。


「…おい、侵入者だ。」

「へぇ、こんな所にわざわざ…」

「まあ、歓迎してやろうぜ…で、どうする?」

「…俺達のやり方でやる。」

「おっ、そりゃあいい!分かりやすいし楽しそうだ。」

「数は3人で、こっちも3だから…」

「一対一か。いいねぇ。」

「…では、俺は『離れ』だ。」

「僕は、そうだなぁ。『納屋』にしよっと!それでいい?」

「構わねえぜ……俺っちは『母屋』で。」


三者も同様に行動を開始する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(ここが『納屋』なのかな?)


扉がないので、そのまま中に入る。


(うっ…埃っぽい。)


中にある物は殆ど原型を保っていなかった。


「…あれ?」


よく見ると床の板に取っ手がついている。それを取り外すと、地下に続く階段があった。


「……これ、行っても大丈夫なのかな。」


やまねは真面目に悩み、考える。



その姿を納屋の外から緑髪の少女が見ていた。


——後ろがガラ空き。今なら確実に殺せる。


全ては自己の快楽のままに。両腕の爪が伸び、そのまま、接近して背中を斬りつけようと…


(…へ?)


男の亡霊の様なものが見えた途端…全身を斬りつけられたのを感じて…


「ーーぁ」


断末魔を上げる事もできずに粉々になり、無抵抗に散っていった。



(…これは後で谷口くんに言っておこう。)


そう結論づけたやまねはふと後ろを振り返ると、黒い軍服を着た黒髪の20代程の男が軍刀を鞘に納めていた。


「えっと…」

「——ここにいろ。」


ふとやまねの目に埃が入ってきて、瞬きするとその姿はどこにもなかった。


「え、あれ?」


後ろ姿だったから、誰だったのかは分からない…けどそう言われたのなら、やらなければ。


「はい…分かりました。」


やまねはそう呟きながら、夕方になるまでの

暇つぶしに納屋の片付けをする事にした。


……



「…ここが『離れ』かよ…はぁ。ようやく着いたぜ。」


息を整えながら、山崎は言う。


(ここに来るまでに30分間くらい迷った事はあの2人…特にアイツにだけは言えねえな。)


そんな事を考えながら、錆びた扉を蹴りでぶっ壊して侵入する。


「あー汚ねえ。カビだらけだぜ。」


さっさと出たいなと思いながら、探索を開始した。


……


「…起きろ。加減はした…まだ立てる筈だ。」

「…っ!」


咄嗟に起き上がって拳を避ける。


「…?ここは何処だ?」

「…広場…違うな。『日本庭園』と言った方がここでは正しいだろう。」


スーツ姿の青髪の大男の拳を避けながら、全力で思考を回転させる。


(一体何があったんだ…ああ、くそ!思い出せねえ。)


咄嗟に拳銃を取り出し撃とうとするが、何故か拳銃が無くなっていた。


「…動きが鈍ったな。」

「ゴッ…!?」


拳が山崎の腹を直撃し、灯籠や岩を破壊しながら池に落下した。


「ここまでか…止めを刺してやる。」


段々と山崎に近づき…思わず足を止めた。


「素晴らしい…見込み通りだ。」

「……うるせえ。俺の限界を…お前が勝手に決めんなよ。」


制服が、ずぶ濡れ血まみれの状態になりながら山崎は立ち上がった。


「今はそんな事を考えてる場合じゃないよな…目、覚めたよ……それだけはありがとな。」

「……」

「ここで仕留めねえと、アイツらが死んじまう。だから……お前をぶっ潰す。」

「…フ。」

「……?」


大男は地面に手を当てると、周りの土や砂が変化し、武器…日本刀を生成した。


「ハッ、まるで魔法みてえだな。」

「…使え。」

「…っ、おっと。」


大男が刀を投げて、それをキャッチする。


「おい、いいのか?」

「…構わない。俺は全力の戦いがしたいんだ。ただの虐殺など楽しくもない。」

「じゃあ、あの2人を見逃すってのは…」

「駄目だ。この場所に来た時点で始末しなければならない…そういう『契約』だからだ。」

「…悪い、つまらねえ質問しちまったな。」

「……」


大男が拳を構える。


「…スレア。『全てを殴り潰す悪魔』だ。」

「名乗りの口上か…?いいぜ。お前となら全力で戦えそうだからな。」


山崎は鞘から刀を抜いた。


「俺は山崎聖亜…これはゲームの通称だが…『ギルド潰し』だ。それを覚えて…死にやがれっ!!」


大男…スレアの姿が忽然と消えたが、その動きは捉えられる。


(…楓さん程じゃねえ。)


横から来る拳を刀で斬りつけるが…


「っ、硬えなあ!」

「…いくぞ。」


全方位からの拳の乱打を山勘でなんとか刀で凌ぐ。


「…やっぱ、手加減してやがったか。」

「最初にそう言っている。」


淡々と拳を振るい、山崎の刀が破壊された。


「…っ、逃げるか!」


山崎は全力で駆け出す。


(尺が短いから、これじゃ使い辛えな。)


あれを斬る為にはもっと…もっと……


「いや、違うな。」

「……追いついたぞ。」


足を止め振り返ると、アレイが近くまで来ていて遠目に『納屋』が見えた。


「斬るんじゃねえ…」


あれは俺には斬れない。楓さんなら、きっと糸も容易く斬り落とすだろうが。


——拳が来る。


今度、楓さんにやり方を教えてもらおうと思いながら、ナイフ位の尺になった折れた刀を逆手に構えた。


「——ただ削る。」


……



動きが変わり、建物を巧みに利用して俺を斬りにかかってきた。


「…見えない。」


左膝を斬られた…傷はない。


「…どこだ。」


右脇腹を斬られた…傷はない。


「……」


単純な速度はあっちの方が上、力はまだ…


「……!」


右肩を斬られ…浅く削られて、出血するという事態にスレアはむしろ感動していた。


(そうだ。この高揚感だ…俺が求めているのは。)


そろそろ、この状況を楽しまずにこちらも攻勢に出なければ。相手…山崎聖亜を観察しろ。


(攻撃が下から段々と上の方にきている。次は…首か。)


少しずつ攻撃能力が上昇している山崎聖亜ならこの首…取られかねない。


「…来るか!」


さっきまで屋根の上にいた山崎聖亜の姿が消えた。


山崎聖亜が迫って来るのを感じる。最初から攻撃位置が分かれば、防ぎ…殺す事は容易い。


「っゲボッ、ゴハッ……!」


接近して来た山崎が突然吐血し、勢いそのまま地面に転がった。


「何故…」

「……」


所詮は人間…俺達の玩具。この男ですら、それを超えられなかっただけだ。なら、せめてもの誠意として、


「…今、楽にしてやる。」


拳を握り、痙攣している山崎に向けて放とうとして…違和感を感じた。


(あの刀は…どこだ?)


その答えはすぐに分かった。


「…ぐ。」


後ろから飛んできた刀が、スレアの喉元を刺し貫いたからだ。それをどうやってやったのかを瞬時に理解して、倒れた山崎に言う。


「…見事。」


自分の姿が段々と消えていき『煉獄』に戻るのを感じながら、また心ゆくまで戦える日をスレアは期待した。


……


納屋の片付けを完璧に終えたやまねは、新鮮な空気を吸おうと、外に出る。


「…ぇ。聖亜…くん?」


全身から血を流し倒れる山崎に、やまねは急いで駆け寄った。


「起きて…起きてよ!聖亜くんっ。」

「…うるせえ、聞こえてるぜ。」

「…!良かったぁ。」


山崎は目を開けて、倒れた状態で辺りを見渡す。

スレアの姿も折れた刀も無くなっていた。


「やまねがいるって事は…『納屋』か。」

「まずは…病院に連れていくね。背負ってもいい?」

「…服が血とかで汚れるが……いいのか?」

「うん。僕も結構埃まみれだし、体操着の予備もあるから、気にしなくていいよ。」


痛みに耐えながら、やまねに背負われ歩き出す。


「あの…『離れ』で何かあったの?」

「…ハッ、盛大な即死トラップに引っかかってな。ここまで…飛んできたんだ。」

「えっ!?そんな罠があったの?僕の所には無かったけど…」

「きっと今頃…アイツも喰らって痛い目にあってるだろうぜ。」

「あっ、谷口くんにも一応連絡入れとくね。」


やまねが足を止めてスマホでメッセージを送っている間、山崎は思う。


(あれは確かにいた…アイツは何か悪魔とか言ってたっけか……でも、あー今は肉とか食いてえな。血が足りねえ考えるの凄えしんどい。)


「…聖亜くん、平気?」


心配そうな声でやまねが聞くのを山崎は精一杯、笑って答えた。


「ハッ…問題ねえよ。今は…焼肉が食いてえ。牛と鶏と豚と馬刺しが足りん。病院行く前に食いに行こうぜ?」

「えっ、それは……ダメだよ。先に病院に行こう…その後なら一緒に行ってもいいから。谷口くんも連れて…ね?」

「…そうだな。アイツの奢りで食いまくろうぜ!」


そんな会話を繰り広げながら、2人は日本屋敷から離脱した。


……



「……『状況は分かったよ☆私も終わったらすぐに合流するから、くれぐれも焼肉パーティを先に始めないでくれよ?後、代金は割り勘でいいんじゃないかな??』…っと、送信。」


スマホの電源を切り、襖を開ける。


「…ここで最後『主人居間』か。全く、ここまでに来るの大変だったよ。君のせいでさ?」

「…スレア…メデウ……」


20代後半くらいの赤髪の男は俯き髪をむしる。それを無視して谷口は話を続ける。


「まさか、『母屋』全域にある罠や謎解きを全てクリアしないと君の元に辿り着けないなんてさ…薄々気づけてはいたけど、本当に厄介だったよ……私1人だけだったらね。」

「…どういう事だ?」

「おっ、やっと見たね。私を。」


谷口は『主人居間』の中に入る。


「君の敗因はたった一つだ。」

「…何だよ?」

「これ♪」


持っていたスマホを男に見せつけた。


「…何だそれ。」

「スマホっていってね。まあ、簡単に言えば通信機だよ。普通のホラゲーとかだとよくあるパターンで『携帯とかスマホが幽霊の謎の力で使えない〜』みたいな力がここでは全く働かなかったからね。有り難く、外部と連絡を取ったのさ。」

「外の人間と連絡をした程度でこれを突破できる訳が…」

「あるんだなぁ。これが。」


谷口は男に近づく。


「世の中は本当に広くてね…どんな事でもそつなくこなす『本物の化物』とか、現場にいなくても電話するとお金の代金次第で一瞬にして謎を解く、私ですらよく分からない存在が加入している謎の組織『零落園れいらくえん』とか…他にも探せばごろごろいるんだよ。天才とか傑物が。」


私の身内にもいるよ…性悪が。と小さく呟く。


「あっ勘違いしないでほしいのは、使ったのはマジで分かんなかった奴だけだよ。流石にズルはしたくなくてね。こういうのは自力で解決した方が…面白いし楽しいんだろ?…ねえ?悪魔君。」

「…っ!?」


正体を見破られて、男…悪魔は動揺する。


「謎解きの内容とかは、中々面白かったよ。特に、料理の間の机に整然と並べられた山盛りのバッファローのサーロインステーキ。いやぁ…あれは凄く悩んだよ。『余ったので皆さんでどうぞ!』って何さ?あの謎は結局解けなくてね…これは後日『零落園』に依頼しておこうかな?」

「…?俺っちは知ら、」

「後さ、後さ!あのギミックとか…私の中ではめっちゃ良かったんだーー」


…2時間後。


「…あー楽しかった。じゃ♪」

「っおい、待てよ。」


悪魔に声をかけられ、足を止めた。


「…何だい?お腹が減ったんだったら、料理の間に沢山あるよ。一皿食べたんだけど…大蒜がいいアクセントになってて、めっちゃ!!美味いからさ…君も是非食べるといいよ。」

「……」


悪魔は拳を強く握り締めた。


「……俺っちの遊び仲間だったんだ。」

「…?誰のこと??」


この男を殺すのは容易い。無防備で、隙だらけで、何かを仕込む芸もない。だから…


「俺っち達の楽しみを奪ったお前を…絶対許さねえ!!」

「あ、待って!?止めた方がいい…」


一気に接近して、首を引きちぎってやる。それで他の奴らも殺してやる。そう思って悪魔…ネレセは飛びかかろうとして、ふと脳裏に何かが浮かんだ。


【人魔無血条約に抵触。消滅刑…執行。】


それが、最期の記憶になった。


……


「…あーあ、だから言ったのに。」


襲い掛かろうとした悪魔は影も形もなく消滅していた。


「念の為、山崎君の拳銃パクって来てたけど使わなかったな…まあいっか。前情報とも完全に一致してるし、ここの場所はもう確定かな。」


ーーー残雪家の本家。かつては日本における悪魔崇拝の総本山…だった場所。


「前情報では三匹っていう事だったけど…やまねちゃんと山崎君を対処する為に残りは向かって行ったって事なのかな?」


やまねちゃんのメッセージ的に山崎君が大怪我を負ったみたいだし、と呟く。


「…私としては、やまねちゃんが発見した地下室に行ってみたい所だけど…」


スマホの画面を見ると、18時58分だった。


「流石にタイムアップ…かな?これは後日、また来る時に行くとしようか。」


そう言いながら、ボロボロの廊下を1人歩く。


「玄関、使者の間、上の間、台所、料理の間、書院、湯殿に便所、奥座敷、寝間、次の間、主人居間と来たけれど。」


——昔はちゃんと人が住んでいて、清掃が行き届いた綺麗な日本屋敷だったんだろうなと…谷口はそう思った。


……


屋敷の外に出て元の集合場所に行くと、辺りはすっかり暗くなっていた。


「…さて、どうするか?」


ふと谷口のスマホが鳴る。


「もしもし…あっ、やまねちゃんか!」

「あのね、今、聖亜くんと…そのぉ。」

「どったのやまねちゃん?」

「えっとね…あっ、聖亜くん!?」


やまねのスマホを取られたのか、別の声になった。


「今、焼肉屋で焼肉食ってるぜ!!もう腹が減ってよ。別にお前を待つのが面倒になったとかじゃないから安心して帰っていいぞ。」

「あのさ、店の名前を教えてくれないかい?」

「断る…拳銃代だ…お前の財布は借りたぜ!」

「ファッ!?待って…!」


無情にも電話が切られた。いつも財布を入れているポケットを確認し…悟った。


「フッ…フフ。財布を人質を取ったんだ。私的に割と消化不良だったし…そっちがそう来るなら…久々に総力戦で行かせてもらうよ。」


自身が保有する全勢力を持って、確実に居場所を叩き出してやると固く誓いながら、片っ端から電話をかける。


———全ては自身の財布を救う為に。


第二ラウンドのゴングがここに鳴り響いた。


                   了





















































































































































































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