○○には三分以内にやらなければならないことがあったリミックス

@ns_ky_20151225

○○には三分以内にやらなければならないことがあったリミックス

 ○○には三分以内にやらなければならないことがあった。名前はまだ無いけれど、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬ。参謀本部編纂の地図をまた繰開いて見るでもなかろう、と思ったけれども、山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。加えて、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。しかれどもよだかは実にみにくい鳥ですが、どっどど どどうど どどうど どどう、寒い冬が北方から、狐の親子の棲んでいる森へもやって来ました。雨ニモマケズ風ニモマケズ。

 妄念は起さずに早うここを退かっしゃい、助けられたが不思議なくらい、嬢様別してのお情じゃわ、生命冥加な、お若いの、きっと修行をさっしゃりませ。とまた一ツ背中を叩いた、親仁は鯉を提げたまま見向きもしないで、山路を上の方。

 すると三分ばかりして、今度は籠を御買いなさいと云いだした。女子教育上の意見としては別段に申上ることも御在ませんが、倫敦で二ヶ月ばかり下宿住いをしたことがあるけれど、二ヶ月のあいだじゅう朝御飯が同じ献立だったのにはびっくりしてしまった。オートミール、ハムエッグス、ベーコン、紅茶、さすがに閉口してしまって、いまだにハムエッグスとベーコンを見ると胸がつかえそうになる時がある。午後三時からその日は銀座通のカッフェーへ出ればよいので、市ヶ谷や本村町の貸間からぶらぶら堀端を歩み見附外から乗った乗合自動車を日比谷で下りた。わたくしは殆ど活動写真を見に行ったことがないのに全身萎えて、もはや芋虫ほどにも前進かなわぬ。路傍の草原にごろりと寝ころがった。次第に楽になってくる。苦しいのだかありがたいのだか見当がつかない。

「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」

 吾輩は死ぬ。死んでこの太平を得る。太平は死ななければ得られぬ。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。ありがたいありがたい。


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