第1話 警察署にて
とある街の一角にある警察署、その一室にて
「また勝手に爆弾解体したんですか?レンさん」
最近入ったという若手の警察官と取調室で雑談兼取り調べ中
最初は真面目に取り調べを受けていたが、
話す事は無くなったので単なる雑談となっている
ちなみにレンというのは依頼を受ける時に名乗っている僕の名前だ。
もちろん本名ではないのだが...
「あの場に僕くらいしか解体できる人いなかったので」
資格的にも実力的にも、あとその場にいた人はみんな逃げてたし....
爆弾魔と僕以外は。
「確かに」
「でしょう」
ふふん
「納得するな、あと
でたな、怪人始末書書き。
あとこいつ言うな、始末書ばっか書いてるから腕鈍ってるんじゃないの?
「すみません、沙霧先輩」
怪人始末書書き.....ではなく沙霧先輩と呼ばれていたこの人は沙霧直哉警部、この街の爆破処理班の隊長を務める結構偉い人、
でも最近は爆発物処理業者のせいで仕事が始末書書きになっているらしい
やっぱり怪人始末書書きじゃないか。
「遅かったですね、沙霧警部」
「あぁ、誰かが勝手に爆弾解体したせいで、始末書を書かされたんでな」
うーん皮肉たっぷりの返答ありがとう。
「ちなみに何枚くらいですか?」
僕の予想だと4枚くらいだと思うけど
「6枚くらいだな」
もっと多かった
あと業者共が廃業してくれれば俺たちの出番なんだけどな。あと始末書も減る」
「それは無理ですね、爆弾処理は僕の生業ですので、苦労して資格も取ったんですから」
そうこの国では爆発物処理業者許可という国家資格を取ると民間人でも爆発物処理に参加できるのである。が、沙霧警部の発言通り、勝手に爆弾解体する事は基本的にタブーであるが、その場に爆発物処理の資格を取っている人物が居合わせた場合のみ無許可での解体が許可される。他に条件として爆発までの時間がない場合などのルールもある
「ほんとなんでお偉いさんはこんな法律を通してしまったんだろうな、」
と明らかにやばい法律を通した政治家を皮肉たっぷりの愚痴を漏らす沙霧警部
それについては本当にそう。誰だよ、爆発物処理業者許可法とかいう法律作った政治家は...警察信用してないのだろうか?
「仕方ないですよ、この国爆弾騒ぎが多すぎるんですから」
去年は400件近い爆弾騒ぎがあったくらいですからね。
もうヤダァこの国
「あー確かにこの国だけ毎日の様に爆弾騒ぎ起きてますよね」
若手くんもそう思うか。おかしいよなこの国
「呪われてるんじゃないのかこの国」
まさか〜そんなわけ....ないよね?
つづく
凍結 少年と爆弾魔 連載版 赤ぬこ むぎ猫 @akanuko
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